この間、江名本と
カラオケで一緒の曲を
歌ったり、遊んだりした
おかげで、少し僕達は仲が良くなったんだ。
珍しく、教室で声を
かけられた。
僕なんかと、やりたい
ゲームって、なんだろう?
そもそも、僕とあいつが
どうしになれるわけ、ないだろ…
趣味も違うし…
そして、放課後。
僕は、江名本の家へと
向かった。
ガチャ
1軒屋の、少し古い家。
1階の奥に突き進むと、江名本の
部屋についた。
ガチャ
ドアを開けた、扉の先には…
ベッドと、机以外の
スペースは、アニメキャラの
フィギュアに、抱き枕、ポスター
DVDBOXに、謎のキャラTまであった…
荷物を、下ろすと
江名本は、バッと制服を
脱ぎ、上半身裸になる。
その後、手を伸ばしたのは
魔法少女アリサと書かれた
ロゴ入りのキャラT…
ハンガーを、取り
僕に突き出してくる。
無言で、僕を見つめる
江名本…なぜか、その瞳は
キラキラと輝いていた。
適当に、返事をして
上着をそこら辺の床に置く。
コイツ…マジのオタクだ。
来て、大丈夫だったのかな?
本当に、心配になってきた…
僕が、青ざめた顔を
していると、江名本が
ゲーム機のボタンを、押し
スイッチを入れる。
そして、テレビ画面に
爽やかなメロディーが、流れたと
思ったら、急に女の子達の
アニメムービーが、始まった。
チャララララ〜♫
こうして、まんまと
江名本の罠にかかった優…
優が、このゲームにハマるのも
時間の問題だった…
ということを、この時の優は
まだ知らない…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。