「私は何かおかしい事を言ったでしょうか、」
「龍水様とあなた様の育たれた環境が違います故、今回のような衝突が起きてしまわれたのかもしれません」
「...きっと龍水様はあなた様の事が好きなのですよ」
「私にそのような感情はありません....」
「いえあなた様、人間誰であろうと必ず感情はあります」
「知らない、覚えていないだけであって」
「きっとこの先、わかると思いますよ」
分からない、"好き"って何??
分からない
本当に私なんかに感情なんて物があるのだろうか、
いや無い、ありえない
戦争に行って仲間が死のうが相手が死のうが
何の感情も湧き出る事はなかった、
私に感情なんてあるはずない
命令に従うだけ...ただ、それだけ....
「でも、龍水様が私に名前をくれた時、胸辺りが何故か温かかった。」
「病気なのだろうか、」
彼奴はまるでわかっていないッ
帰還命令など戻ったら戦争に行かされるに決まってる
そしたらもう、あなたには会えなくなるのか...?
折角少しだけでも彼奴が心を開いてくれたと思っていたのに、
そう思っていたのは俺だけか、!?
「いつの間にか、俺の方が心を解かれていたとはな、」
「行くなッあなた....」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!