第19話

白とカスミソウとベゴニアと。
26
2025/07/06 12:01 更新



 私はずっとそばにいますよ 



  そう言って愛おしそうに少女を見つめる霞さん。
  白髪の少女の持つ青眼が霞さんをその瞳いっぱいに詰め込んでいる。
  美しいと思った。まるでドラマのようなストーリーが目の前に映し出されている。
  
  主人への永遠の忠誠。

  


五条 あなた
 ね、あのね、霞 



  あなたが不思議そうに霞へと問う。
  疑問符を浮かべ首を傾げる霞さん。かわいい。
  その仕草に目を焼き付けられ、
  此方の方に向いた視線に反応するのが遅くなった。
  って、エ?
  


 アッぼく!? 



  霞さんに抱きつけられた少女が此方に指を指していた。
  いいな、ぼくも抱かれたい、抱きたい。てか人に指差しちゃいけないよ
  あ霞さんが指を縮めさせた。やさしい。



 あぁ…………   


  
 だって、禅院さん 
 あぁ、ぼっぼくは禅院優太です…   
五条 あなた
 ( ぜっ、禅院フェイス…! ) 



  えっちょっとなんか喋ってよお泣
  聞いたのそっちじゃん!?ちょっとくらい何か言ってくれても……
  念じる思いは伝わらず霞は暇すぎて手遊びをしていた。
  それを見て更に汗を垂らす禅院こと優太。

  想いの人を退屈させるなど優太にとって最大の危機であった。
  ほぼ泣きかけの優太は苦し紛れの提案を思いつき声を絞り出す。




 アノッ、かっカフェ行きません……? 




______








 ………    
五条 あなた
 …………    
 ………………………………    



  あっ気まず〜〜〜〜〜〜!!!


  減り続ける互いのカップ内の飲み物。
  ぼくの口の中にはブラックコーヒーの苦さがぎっしりと詰まっている。
  見栄をはるんじゃないものだと後悔した。甘いのしか飲めないのにぼく…

  少女は何処からか拾ってきた折り紙で鶴をおってる。
  えっめちゃくちゃうまい…教えてもらいたい……
  それ霞さんにプレゼントしたら喜ぶかな………
  クーラーの音のみを拾う耳がどうしようもなく気まずく、
  またコーヒーを啜る。にがい!!!!



五条 あなた
 あの、ぜん……ゆう……お兄さん。

 な、なぁに? 



  なんで言い直したの!?!?
  禅院のこと嫌い!?優太のこと嫌い!?ごめんってばあ!!!!


  不意に近づいてきた顔が美しくて見惚れてしまいそうだった。
  世界の不純物を取り除いてこの世の美しさのみ集めて、
  その中でも最も美しい所をくり抜いたような、そんな青。
  形の整った鼻が、耳が、眼が、唇が、輪郭が。寸前まで迫る。
  綺麗だと思った。だから霞さんはそこに惚れたのかもしれない。
  ぼくは惚れたりしないよ!?霞さんが一番だからね!!




五条 あなた
 縛り、結んでくれる? 

 へ、



  でも純粋なる美しさなんて呪いの世界にないんだ。
  







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