第7話

5日目
398
2023/08/05 08:00 更新
ちりりん、と。
階段を上っていると心地よい風鈴の音がした。
風鈴提灯が揺れる屋台と、その前にしゃがんでいるスマイルがいた。
アタシに気づくと立ち上がって手招きをする。
あなた
スマイルはなんの屋台なの?
スマイル
見て
大きな水槽の中を赤や黒の魚が泳いでいる。
あなた
金魚掬い?
スマイル
ご明察
スマイルはアタシに木のお椀とポイを渡してくれた。
あなた
折角ならポイひとつで何匹掬えるか対決しようよ!
スマイル
これでも店主だし、それなりに上手いよ?オレ
あなた
負けないもん!
スマイル
望むところだ。負けた方が勝った方の言うことを1つ聞く…でどうだ?
あなた
いいよ!
アタシたちは袖をまくって、水槽の前にしゃがむ。
スマイル
用意…
あなた
スタート!
〜数分後〜
スマイル
…あ、破れた
あなた
ま、負けた…
スマイル
言ったろ
アタシのお椀には2匹。
スマイルは…うん、とりあえずアタシより多いってことは分かる。
スマイル
オレの勝ちだね。お椀、貸して
スマイルは自分が取った分は水槽に戻して、アタシの2匹を袋に入れてくれた。
スマイル
はい、あげる
あなた
ありがと〜…で、アタシは何をすればいい?
スマイル
そうだな…
そこでスマイルはアタシの袖をつかんだ。
アタシはスマイルに引き寄せられる。
あなた
えっ、なにを…
ちゅっ
スマイルの顔がぐっと近づいたと思うと、頬になにかが触れる。
あなた
…!?
スマイル
オレの言うこと聞いてくれるんだろ?そのキスね、報酬
あなた
きすっ…!?
スマイル
それじゃ、また…明後日な
あなた
う、うん…また
どこか熱いような顔を押さえて、アタシは階段を下りた。

プリ小説オーディオドラマ