kn side
kn『 ッ、あなたの魔力吸収出来なかったんだけど … 』
kn『 なに、したの ? 』
吸収、っていう魔法は、
その魔法に込められた魔力を吸い取るっていうもので、
それが効かなかった相手なんていなかった。
だから、あなたは何か狡い事でもしたんじゃないかって
そう考えてしまった。
…何より、俺の1番得意な吸収が効かなくて、
どうにかして否定しなきゃ、
俺自身のプライドが、へし折られてしまう気がして。
『 効いて、たんですけど 、 』
br「 多分あれじゃない ?
闇魔法が体に広がるまでに、あなたの
魔力を吸いきれなかったんじゃない? 」
そんな、訳。
だって、シャークんだってこの吸収魔法苦手だし、
吸収しきれない、なんて事ないし。
しかも、この魔法、俺が頑張って習得したのに、。
数日前に魔法が使えるようになった、なんて
馬鹿げた奴に、負けるなんて思ってなかったし。
「 きんとき、さん … ! 私、きんときさんに
勝てるなんて、思ってなくて、その、。 」
何が言いたいんだろう、俺を煽りたいのかな。
きっと彼女の使った魔法は “ 基礎魔法 ” だった。
基礎魔法にやられる雑魚だ、なんて罵るのかな。
…なんとでも言えばいい。
「 戦ってくれて 、 有難うございました。 」
「 吸収、焦ったんです 、。 魔力無くなっちゃうって。
ギリギリ、だったので良かったんですけど、 」
「 その、カッコよくて、。 だから …
一緒に訓練して 、 教えてくれませんか … ! 」
kn『 … え、。 』
思ってもいない言葉だった。
感謝、尊敬、お願いの言葉。
同じ幹部同士の様には思えない言葉遣い。
──思ってみれば、こっちがただ避けていただけだった。
不安そうに此方を見つめる彼女が、何故か─────
kn『 … いいよ、今度やろっか。
それと、俺には敬語も外してよ。きんときって呼んで。 』
「 え…、い、いい、の? 」
kn『 うん。よろしくね、あなた。 』
「 っぁ … ! よろしく 、 きんとき … ! 」
心から嬉しそうな表情をして、
可愛らしい満面の笑みを浮かべて笑う彼女。
…こんなに、無理させてたのか。
敬語一つ外すだけで、こんなに嬉しがる彼女。
今までの事をすべて無かったことにして、
今こうやって彼女に接している。
本当に狡いのは、君じゃなくて俺だったんだ。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。