大森side
その声で目を覚ました。
大切な仲間が大事な人の名前を呼んでいる。
それで身体も一緒に起きた。
倒れてる?
下手な冗談だ。
最初はそう思った。
でもりょうちゃんの顔は真剣で、
本当なんだってわかった時には走っていた。
レコーディング室に入るとギターを抱えたまま倒れている若井がいた。
脈はあるし、呼吸もしている。
とりあえず死んでない。
彼を仮眠していた場所に移した。
救急車
りょうちゃんがそういった瞬間だった。
彼の声が聞こえたのは。
今回は騙されなかった。
彼の大丈夫に。
もう騙されないよ。
きっとうっすらりょうちゃんもわかってなんだろうな。
若井が限界点に近づいていることに。
メンバーで気づいていないのは、
若井本人だけだった。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!