菅原view
忘れ物をしたと戻っていくあなた
もう春とはいえ、この時間は暗くなってから夜になるのが早い
俺の雰囲気を感じ取ったのか
「心配なら待っててやれよ」
と大地が言う
俺はあなたを待つことにした
「スガさん、、、?」
『おっあなた』
「もしかして待っててくれたんですか、?」
『おう!やっぱあなた1人は心配だし』
余計なお世話だったかなと思っていると
「、、、ありがとうございます」
申し訳なさそうな、でもどこか嬉しそうな
そんな顔をして俯くあなた
このくらい何でもないんだけどな
「あの、スガさんはなんでそんな大人なんですか」
『ん?』
急にどうしたんだ
「絶対人生何周かしてますよね?
じゃないとおかしいです
私だったらたとえ興味があっても
自分のポジションにすごい後輩が入ってきたら
すっごいライバル視しちゃうし、
試合にその人を通しで入れろとか言われたらムカつくし、
すっごく、、悔しいって、思います
今回ばっかりは田中と同意見です」
『今回ばっかりは(笑)
さっきも言ったけど、そりぁ悔しいよ、
次の試合は向こうの意向に従うしかないけどさ、
その後の試合は俺まだ出れる可能性あるじゃん?
引退するまで全力で頑張ってみるよ』
「そんな大人みたいなこと言わないでください
ますます自分の子供っぽさが嫌になります」
『そこがかわいいんじゃん』
パッと出た言葉は本心だった
それに俺は大人なんかじゃない
君の前だから余計にそう見せたいだけなんだ
あなたの柔らかい頭を撫でてまた大人ぶる
夕陽があなたの顔を照らして
瞳がキラキラ輝いている
あなたは陽だまりのようで
少しへこんでいる俺の心をあったかくしてくれる
このままずっと一緒にいれたらな












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!