第16話

ヘッドフォンアクター
55
2026/02/22 03:00 更新
周りには誰もいなくなっていた。

俺のいる場所からは、夕日がよく見えた。

ヘッドフォンの「声」に従って、丘の上までたどり着いた。
💫🩷
💫🩷
………違う
思い出せもしない「何か」が、そこにはなかった。

「何か」ってなんだ?

何がなかったんだ?



いや、違う。

何かがなかったんじゃない。

「あいつ」がここにいなかったんだ。
💫🩷
💫🩷
やっと、伝えられると思ったんやけどな………
自分の影が薄くなっていく。

夕暮れが終わろうとしている。
???
ここでしか、この場所でしかもう伝えることなんてできなかったのに………!
???
終わってたんだ、何もかも
💫🩷
💫🩷
…………
そっか、もう終わりなのか。

なら、諦めよう。

「あいつ」にはもう会えない。
???
こんな、こんな世界ならもういっそのこと………!
言わないでよ、そんなこと。

間に合うことはなかった。

でも俺は、最後の最後で自分の気持ちに気づけたから。

振り向くと、街はもう最期の時を迎えていた。
???
………ごめんね
薄れゆく意識の中で、燃え尽きていくプログラムの残骸を眺める。

やがて俺は意識を失くし、眠りについた。

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