第7話

君が言ったんだよ?
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2025/12/24 15:40 更新
村山side





突然だけど、俺はあなたの下の名前ちゃんが好き。



いい歳した(つっても20代前半)俺が、高校二年生の女の子に恋するってのも変な感じだし、俺番長だし。



正直、あの子はちょっと危険。



まだ子供なのに、夢を描いて遊んでいるはずの学生なのに、全てをわかっているような口ぶり。



俺たちよりずっと先を見据えてるような目。



"子供"には背負いきれないものを、あの子はひとりで持って、この街のために動いてる。







俺がまだ番長になったばっかりで、仲間とか、頭張るとか、なんにも理解してないお子様だった頃、



俺はあの子と出会った。



今より少し幼くて、不思議な子だった。






『あらら。鬼邪高校の番長の"村山良樹くん"って君?』



「だったら?」



『すごいよねー。初番長!って言われて、どう?』



「別になにも。番長とかよくわかんねぇし。喧嘩する、それだけ。」



おかしな事を言った記憶はないが、彼女は少し笑った。



『…コブラちゃんとやるのはまだ先かな…?』



「なに?聞こえない。」



『なんでもなーい。"村山ちゃん"、頑張ってね。』



「村山ちゃ…?」



『あーそうそう。友達はみーんなこう呼んでるの。いいでしょ?
"君はひとりじゃない"から、鬼邪高校番長!期待してます!』






そのままあなたの下の名前ちゃんはフラフラ去っていった。



今思えば、あれが答えで、一目惚れした瞬間だったのかも。



コブラちゃんに負けて凹んでたときも、時々顔だして励ましてくたり、どうでもいい話しに来たり。



気づいた時には遅くて、隠しきれないほど好きになってた。



でもあなたの下の名前ちゃんにどれだけ近づいても、あなたの下の名前ちゃんは俺に壁をつくる。



ねぇ…あなたの下の名前ちゃん。



どうしたら俺の事好きになる?



俺に自分の事話してくれる?



ねぇ、











「ひとりじゃない」って言ったのはさ、










あなたの下の名前ちゃんじゃん。












教えてよ。













あなたの下の名前ちゃんもひとりじゃないからさ…?

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