第59話

58.卒業 ✧︎*1
486
2024/03/09 07:00


ここは『学習塾 SKYスカイ』。

私たちが今いるのは、いつも授業をしている教室ではない。

集団授業で使う、大きな教室だ。

塾長
改めて皆さん、合格おめでとう!
塾長
そして、卒業おめでとう〜!!


そう、今日はSKYの『合格祝賀会』。

11月に行われた大学受験に見事合格した高校3年生たちが集まっている。

わたしが担当していた2人も、無事志望校に合格していた。

ヨンアちゃんは、第一志望校だった成均館ソンギュングァン大学の経済学部。

そしてジョンウォンくんは、第一志望校の慶熙キョンヒ大学の法学部だけでなく

記念受験で受けた延世ヨンセ大学の法学部にも合格した。

延世ヨンセ大学と言えば、韓国の大学トップ3に入る超名門難関大学。

そこに合格したジョンウォンくんは、間違いなく今年のSKY城東区校の最優秀生だ。

わたしも、自分が教えた生徒が素晴らしい結果を出してくれたことは心から嬉しかった。

合格祝賀会では、3年間を振り返るビデオを見たり、お菓子やケーキを食べたり、ビンゴ大会をしたり。

晴れやかな生徒たちの笑顔を、講師の私たちは教室の後ろの方から微笑ましく見守っていた。

ジェイ
ジェイ
あなたちゃんが担当してた子、延世ヨンセに受かったんだってな
(なまえ)
あなた
そう!
(なまえ)
あなた
ジョンウォンくんって子なんだけど、本当によく頑張ったㅜㅜ
ジェイ
ジェイ
あなたちゃんの教え方が良かったっていうのもあるんじゃないか?
(なまえ)
あなた
そんな、、わたしはただ丸つけと解説してただけだし……
(なまえ)
あなた
ジョンウォンくん自身の努力の結果だよ
ジェイ
ジェイ
そうだな、延世ヨンセに受かるなんて相当努力したんだろうな……
(なまえ)
あなた
うん、すっごく努力してた……
(なまえ)
あなた
でも、やっぱり元の頭の良さもあるんだよね


わたしは向こうで楽しそうな笑顔で友達と話しているジョンウォンくんを眺めた。

今までたくさん接してきたからこそ分かる、ジョンウォンくんの賢さや頭の回転の速さ。

(なまえ)
あなた
あの子は本当に賢くて頭がいいの✨️


わたしが誇るようにそう言うと、ジェイくんは微笑みながらうなずいた。

ジェイ
ジェイ
確かに、顔つきからして鋭そうだもんなㅎ
(なまえ)
あなた
うん、、すごく鋭い…ㅎ


洞察力に長けたジョンウォンくんに色々と見抜かれてしまったことも、今では良い思い出だ。

(なまえ)
あなた
ジェイくんの担当の子も無事合格したんだよね?
ジェイ
ジェイ
おう、無事合格してくれたよ︎
ジェイ
ジェイ
1人は国大の文学部、1人は慶熙の薬学部
(なまえ)
あなた
2人とも優秀!すごい
ジェイ
ジェイ
国大と慶熙って、俺らみたいだなㅎㅎ
(なまえ)
あなた
ほんとだねㅎㅎ
ジェイ
ジェイ
まあ、俺は7月から4ヶ月しか教えてないから、ほぼジェイクの授業で育った子たちだけどな
(なまえ)
あなた
そうだね……
(なまえ)
あなた
でも、受験前の大切な時期をジェイくんが担当したってことじゃない?
ジェイ
ジェイ
まあ、、そうだな
ジェイ
ジェイ
でも思ってたより楽しかったよ、教えるの
(なまえ)
あなた
だよね!わたしも最初は手こずってたけど、慣れてきたら楽しくなった
ジェイ
ジェイ
俺は来月から辞めなきゃいけないけどな……
(なまえ)
あなた
ジェイクが帰ってくるから…?
ジェイ
ジェイ
そう、俺はジェイクが帰ってくるまでっていう契約でやってるから
(なまえ)
あなた
そっか、、寂しいな……
ジェイ
ジェイ
でも、やっとジェイクとあなたちゃんが一緒に働けると思えば、俺はいい気分でここを去れるよ︎^ ^


ジェイくんは優しい微笑みを浮かべながらそう言ってくれた。

あなた💭
ジェイくん……



ジェイクが帰ってくるのはもちろん嬉しいけど


素敵なバイト仲間だったジェイくんとお別れしなきゃいけないのはやっぱり寂しかった。。。







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