第2話

過去のような
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2022/01/23 11:40
■■■=名前
■■■は少し裕福な家庭に生まれた。そのお金は政治家である父親が賄賂や貧しい人からの巻き上げで得たものだが、そんな事■■■は知りもしなかった。

両親は留守にすることが多いが■■■は寂しくなかった。いつも人形が一緒だからだ。男なのに人形遊びをする■■■を父親は気持ち悪がり、政治家になるための勉強をさせようとした。けれど自分の名前すら呼んだことがない父親が何と思おうと■■■にとってはどうでもいいし、勉強をしても政治家になるつもりは微塵もなかった。

そんな■■■に人形遊びをさせているのは母親だ。母親はいつも「女の子が欲しかった」と呟きながら■■■を着せ替え人形にする。「お人形さんには感情がないのよ」母親は■■■に微笑みながらそう言った。ボクには感情はあるけどなぁ、そんなことを■■■は思っていた。■■■は母親からぬいぐるみを買い与えられフリルのついた服を着せられることは嫌ではなく、むしろそれが当たり前だと認識していた。自分には父親の着ているスーツなんかよりワンピースの方が似合っているのではないかとさえ感じていた。

最近、両親がよく喧嘩をしている。原因はきっと2人ともの夜遊びが酷いこと。喧嘩が終わると大抵父親に殴られた母親が更に■■■を殴りに来る。けれど■■■は苦しくなかった。人形がいるからだ。母親が異国から取り寄せたという1番のお気に入りの人形、フィール。この子に話しかけると苦しいという感情が無くなる。きっとこの子はボクの感情を抜き取ってくれている。なんとなくそんな気がした。




ある夜の事。両親の怒鳴り声が聞こえてきた。いつもの喧嘩だ。けれどその日はそれだけでは終わらなかった。銃声と、叫び声が響いた。■■■が驚いて様子を見に行くと暗がりの中から1人の青年が現れた。その瞬間■■■は強い衝撃を受けたような感覚に陥った。両親が悪人だった?だから殺した?俺の国に来ないか?一気に色々なことを言われ頭の中がパンクしそうだ。
「聞いてるか?ははっ、お前トマトみたいな髪色してるな。名前はなんて言うんだ?」
頭が回るようになってきたところで急に名前を聞かれて狼狽える。名前、なんだっけ。自分の本名がよくわからない。最後に呼ばれたの何時だっけ。そういえば今トマトって言った…?トマト……トマト………
「蕃茄…」
「蕃茄って、それお前ほんとにトマトって意味じゃ「ボクは蕃茄だよ。ねえ、キミの名前は?」
「あー、俺?俺は霧矢っていうんだ。」
「霧矢さん、ねえさっき俺の国に来ないかって言ってたよね?そこでボクとフィールをキミの部下にしてよ。国王の下で戦う部下は必要でしょ?」
「フィール?」
「ボクの人形の事。この子感情を抜き取れるんだ。凄いでしょ?きっと役に立つよ!」
「あー…そういう事か、まあとりあえず来なよ。歓迎する。」

これはきっと運命だ。ボクはこれからずっとこの人について行きたい。蕃茄はそう思いながら支度を始めるのだった……
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そんなこんなで蕃茄はフェーラル王国に入国し今に至るってわけです……はい……妄想激戦区住みの読みにくい長文でもうね……どっか問題があったら言ってください…光の速さで消すことが可能です……

自己満過去話なのでまとめると
1,割とこの服良くね?ボク可愛いし。好き!
2,この人形凄くね?好き!
3,親殺されたけどこの人良くね?好き!一生ついてく!
って感じです直感で生きてるんだなこいつわはは

あと霧矢君の「あー、そういうことか」は蕃茄に恐怖心が見えないことを指してますね。こいつ感情バグっとんのか、なるほど人形のせいか、みたいな()

ていうか!!ふぁるふぁーくちゃん!!!!良すぎでは!?!?!?まずあるてぃめっとグリコさんの話の書き方が読みやすいし過去話の雰囲気的なあれがもう最高……

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