第12話

* 7話 *
58
2024/04/20 03:07 更新



星月 side





今思えば、一目惚れなのかもしれない。


何となくそう思った。






桜の花が散り始め日差しが暖かくなってきたその日、


わてはいつも通り図書室で読書をしていた。


休んだ司書の方の代わりをするため、


受付に腰を下ろして。


この学校の図書室の本数は数万本で、


いつも利用者が多いが


その日は珍しくガラガラだった。


たまにはこんなのもいいな、なんて思っていると


少し上から柔らかくて聞き心地の良い声がした。



_琴乃葉 みこ@ことのは みこ_
琴乃葉 みこことのは みこ
すみません、今大丈夫ですか…?



本から目線を上げて声のした方を見て、


わては固まった。




_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
( くっそかわええやん )


不安そうにこちらを見る目。


その目はじっとわてを見つめ、


こちらの様子を伺っているようだ。


かわいい、なんて思って固まっていたら、


痺れを切らしたのかもう一度声をかけてきた。


今度はさっきより少し声量が小さかった。


_琴乃葉 みこ@ことのは みこ_
琴乃葉 みこことのは みこ
え、と…、?
_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
あ、ごめんな
_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
なんも無いで

スキャナーを手に取る。

_琴乃葉 みこ@ことのは みこ_
琴乃葉 みこことのは みこ
えっと、一年A組の琴乃葉です!
_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
( 琴乃葉ちゃんか… )

生徒名の書いてある本をパラパラと捲る。


1年Aのページに来て琴乃葉という名前を探していると、


案外早く見つけれた。


_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
( 琴乃葉みこって言うんや…。名前も可愛ええな )


ピッとバーコードを読み込む。


_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
ん、出来たで
_琴乃葉 みこ@ことのは みこ_
琴乃葉 みこことのは みこ
ありがとうございます!



そう言って花が咲くような笑顔をわてに向ける。


それと同時にドキッ、と心臓の音が大きく鳴った気がした。















思い出に浸りながら本を読んでいると、


入口から聞きなれた声がした。


_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
( みこちゃんや )


本を閉じて腰をあげ、


みこちゃんの元へ向かう。


キョロキョロと頭を振っている姿にまた胸を撃たれながらも、


声を掛ける。


_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
あら、みこちゃんやん
_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
どうしたん?
_琴乃葉 みこ@ことのは みこ_
琴乃葉 みこことのは みこ
わっ
_琴乃葉 みこ@ことのは みこ_
琴乃葉 みこことのは みこ
どこに居たんですか??
_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
奥の方におったんよ
_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
本読んでてん
_琴乃葉 みこ@ことのは みこ_
琴乃葉 みこことのは みこ
なるほど…!


みこちゃんも図書委員になってほぼ毎日会えるようになった。


好きな子と毎日会えるのはなんて素晴らしいことなんだろう。


心が癒される。


_星月 夜霧@ほしつき よぎり_
星月 夜霧ほしつき よぎり
( 可愛ええなぁ )


頭を撫でると目を細めて嬉しがる姿を


目に焼き付けた。





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