…… つい大きな声を出してしまった …
俺は棘木 雪希 . 今日ピューロランドに来たのはとある"噂"の真偽を確かめるため .
それなのに_俺はめちゃめちゃ普通に楽しんでしまっていた .
_ ほんとにちゃんと探してるよ ?
… 何故だろうか , 凄く虚しくなってきた .
いつもは , こんな事で凹まないし
嘘なら嘘でネタにできるから , 吹っ切れてそのまま家に帰れるのに
… もういいや , なんかやる気無くなった .
帰ろ
そう思った瞬間 , 俺の傍を強い風が吹き抜けていった .
… 厚着してはいるけどこれは流石に寒い …
風が収まるのを待つように身体を縮こまらせていたが ,
運の悪いことに手に持っていたパンフレットが風で飛ばされてしまった
… はぁ , 拾いに行かないと ………
慌てて駆け寄り , パンフレットを広_
その瞬間 , 周りの喧騒も , 流れているBGMも
何処か遠い場所で鳴っている , 別物になったかのように感じた .
いや_そうじゃない .
周りが変わったんじゃない .
ただ , 目の前に現れた , あまりにもピューロランドに合わない異質な扉に
俺が , 目を奪われて … 頭が真っ白になってしまっただけなんだ
驚きと , 不安と , 嬉しさとがぐちゃぐちゃになって … つい口角が上がる
そして俺は , 興味本位でその扉を開けた .
俺は多分 , この時から既に選択を間違えていた
だって , こんな見るからに怪しい扉_普通は中に入るべきじゃない .
けれど , この時の俺はそんな事にも気がつけない程
"噂が真実"と言う現実に , 歓喜していたんだ



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。