第66話

60話∞
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2026/03/05 09:12 更新
坂口安吾
貴方があなたの下の名前さんですか?
あなた
ええ、そう
あなた
私はあなたの名字あなたの下の名前です
以後お見知り置きを…
太宰治
そんなに畏まらなくていいって〜
あなた
あのねえ、
一応礼儀ってものがあるでしょう?
あなた
で…貴方の名前は?
坂口安吾
坂口安吾です
あなた
坂口安吾?って首領が云ってた亡くなった人の人生録を書いてる人よね
あなた
ということは…貴方があれを?
坂口安吾
ええ、そうです。貴方が私の人生録を気に入ってくれた方、ですか
坂口安吾
ありがとうございます
あなた
お礼を云われる程じゃないわ。人生録を綴っていく事でその人の人生を遺せる…
あなた
そういうのが良いなって思っただけだから
坂口安吾
貴方とは気が合いそうです(笑)
あなた
あらそう?
坂口安吾
あなたの下の名前さんと呼んでも?
あなた
ええ、安吾
太宰治
そういえば、織田作とあなたの下の名前は知り合いだったみたいだけど、
太宰治
何処で知り合ったのさ
あなた
それね、云ってもいいの?織田さん?
織田作之助
織田作でいい
……別に隠すことでもないだろう
あなた
私と織田作が出会ったのは…
十二年前

織田 十一歳

織田はこの頃、暗殺者として活動していた

ある時、依頼人からとある依頼が来る

その内容はポートマフィアにいるとされる首領補佐を

暗殺することだった
織田作之助
いるとされる、か
その日の夜が依頼実行日だったため、

織田は必要なものを準備し始める





私は裏社会の情報を調べていた

そして、ある資料が目に留まる

その内容は首領補佐である私を暗殺することだった
あなた
首領補佐がいるとは
公表してない筈なんだけど
あなた
こうなるとマフィア内部が怪しいわね
あなた
一応、首領に報告かな
あなた
それに、何?懸賞金一億?
舐められたものね
資料がさす期日を見れば、暗殺依頼は

今日の夜までだった












今日の分の仕事を終えて、自室で休んでいた

その時、いきなり部屋の扉が開く

見れば、見覚えのない少年が入ってくるところだった

その少年に、私は話しかける
あなた
貴方が暗殺者さんかしら?
織田作之助
………
織田は問いかけを無視し、いきなり銃を発砲してくる

その弾を避けた瞬間、

織田はいつの間にかあなたの下の名前に近づき、

もう片方の銃を至近距離で発砲していた

私は自分のナイフをレッグホルスターから抜き、

発砲された弾をナイフで弾く

それと同時に蹴りを繰り出すが、相手は

少ない動きで素早く避ける

その後攻撃を繰り返すも、ことごとく全ての攻撃を

避けられる
あなた
(おかしい…敵の死角からの攻撃も入れているのに全て避けられる)
あなた
(おそらく異能を使っている…)
あなた
(そうだとしたら、気配察知系の異能?それとも、空間認知系異能?)
あなた
(とにかく、話はしてくれなさそうだけど、一旦拘束するしかないわね)
織田が再び、銃を構えた瞬間、私は異能を使って

織田の背後へと移り、持っている二丁の拳銃を奪い

自分のナイフを織田の首に突きつけて異能を解く

いつの間にか背後に立っているあなたの下の名前に織田は驚く
織田作之助
!!
あなた
質問に答えてもらうわ
貴方に私の暗殺を依頼したのは誰?
織田作之助
………
あなた
だんまりね…じゃあ次、貴方の異能は何かしら?
織田作之助
…答えるとでも?
あなた
……
あなた
もういいわ。帰っていいわよ
そう云い、突きつけていたナイフを下ろす
織田作之助
?俺を殺さないのか?
あなた
殺してほしいのかしら?
織田作之助
……
織田作之助
何故殺さないんだ、
俺はお前を殺そうとしていたのに
あなた
特に理由はないけど…まだ貴方は幼いし、これからの人生があるでしょう?
あなた
今から夢も見つかると思うし、実力もある。そんな子を今殺すなんてこと、しないわよ
織田作之助
……そうか
織田作之助
お前の名前は?
あなた
あなたの名字あなたの下の名前よ
織田作之助
そうか、俺は織田作之助。
あなたの下の名前…覚えておこう
あなた
……と、いう感じね
太宰治
へぇ〜。二人ともよく十二年も前のことを覚えてたね
あなた
結構最近じゃない?
坂口安吾
最近って…結構前ですが?
あなた
(今気づいたけど、十二年前なんて云ったら私が六歳の頃ってことになるじゃない……)
あなたの下の名前ちゃんの外見的な年齢は

太宰と出会うまでは15歳のままでしたが、太宰、中也と

出会ってからは二人と同じ速度で成長するように

異能でどうにかしてます。

なので、現在軸では太宰達と同じ22歳の見た目、

黒の時代時点では18歳の見た目ということです
太宰治
………
あなた
(太宰なんてすごく考え込んでる顔だし…でもギリギリ六歳でもいける…?)
織田作之助
昔のことはもういいだろう
そんな話をしながら四人は夜を過ごした
太宰とあなたの下の名前は地下室にいた

目に入ってきた光景を見て太宰は低い声で云う
あなた
これは…
太宰治
……説明が欲しいな
そこにはミミック兵の死体が転がっていた

太宰の暗く冷たい表情に怯えながら

黒服の一人が状況を説明しだす
黒服
…カジノを襲撃したミミックの尖兵せんぺいを計画通り、昏倒性こんとうせいのガスで捕らえました
黒服
一人は自殺しましたが、残りの三人はここに運びました
黒服
仲間の情報を吐かせる手筈でした。奥歯に仕込んだ自決用の毒薬も取り外しました
緊迫した状況の中、黒服が詳しく説明する

太宰は表情ひとつ変えず冷ややかな声で答える
太宰治
それは知ってるよ……
太宰治
全て私の計画通りだからね
聞きたいのはその先だ
黒服は慌てて話し始める
黒服
そ、想像よりも早く兵士の一人が目覚めました。手枷をはめる前に我々から銃を奪い、
黒服
恐らくは口封じの為に仲間を射殺し、我々にも襲い掛かってきました
芥川龍之介
それをやつがれが処断した
構成員の中から芥川が姿を現す
芥川龍之介
何か問題でも?
太宰とあなたの下の名前のもとまで歩き、問いかける芥川
太宰治
成る程ね
太宰治
いや、何も無いよ。不撓不屈ふとうふくつの恐るべき敵兵士を倒し、仲間を守った訳だね、芥川くん
太宰治
全くもって素晴らしい。君の異能でなければその様な強力な敵を一撃のもとに倒す事など
太宰治
出来なかったろう
太宰治
さすがは私の部下だ
太宰治
おかげで、捕らえた敵は全員死亡だ
太宰治
罠を張ってまで苦労して生け捕りにした兵士をね。これで手掛かりは無くなった……
太宰治
一人でも生き残っていれば、本拠地、目的、指揮官の素性、名前、
太宰治
そして組織を統率する異能力……貴重な情報を引き出せたろうに
芥川龍之介
情報などと……。連中如き、僕がまとめて…
そう芥川が云った瞬間、太宰の拳が芥川の顔へと直撃する
芥川龍之介
殴られた勢いで後ろへと吹き飛ぶ芥川

血を吐いている芥川へとゆっくり歩み寄る太宰
太宰治
きっと君は、私が言い訳を求めているように見えたのだろう
太宰治
誤解させて悪かったねえ……
あなたの下の名前、銃貸して
あなた
……はい
手渡された銃を持ち、芥川の前へと立つ太宰
太宰治
私の知り合いに、孤児を個人的に扶養ふようしている男が居てね…
太宰治
貧民街で君を拾ったのが織田作だったら、きっと君を見捨てず辛抱強く導いたろう
太宰治
それが「正しさ」だ。けど私はその「正しさ」の方から嫌われた男だ
太宰治
そういう男はねえ…
使えない部下をこうするんだ
そう云うと同時に太宰は三発の銃弾を芥川に向かって

発砲する
太宰治
へぇ………
弾丸は芥川には当たっておらず、ギリギリのところで

静止していた

赤い障壁…空間断絶だった
太宰治
やれば出来るじゃないか
太宰治
何度も教えただろう。哀れな捕虜を切り裂くだけが君の力の全てじゃない
太宰治
そうやって防御にも使う事ができる筈だって
芥川は異能を解き、苦しそうに云う
芥川龍之介
……これまで一度も成功させた事は無かったのにッ……!
太宰治
でもこうして成功した。
めでたいねえ
芥川龍之介
!!
太宰はこれまでにない低い声で云う
太宰治
……次しくじったら
太宰治
二回殴って五発撃つ。
………いいな


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