1週間後
任務中に負った左腕と右足の傷は
少しずつ治ってきていた
いつもは異能ですぐに完治していたため、
傷が治らない痛さを改めて感じていた
任務に行こうとしても首領に厳しく止められてしまった
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その会話を、あなたの下の名前は医務室の扉越しに聞いていた
首領とエリス嬢には、これ以上迷惑は掛けられない
だから大人しくしていたのだけど……
私宛に一通の手紙、というか脅迫状が届いた
この手紙は先週殲滅した組織から届いたもの
どうやら、倒しそこねていた敵が居たらしい
マフィア本部を人に見つからないように移動し、
目的の倉庫へたどり着く
倉庫の中には、一人の男が中央に佇んでいた
そして、薄暗い倉庫には数百人、敵が隠れている
倉庫といっても
一軒家に備え付けられているようなものではなく
体育館よりもなお広い、巨大な倉庫だ
隠れているつもりだろうけど、殺気が漏れている
数は大体500人程
よく1週間でこの人数を集めたものだ
その言葉とともに周囲に隠れていた敵が一斉に飛び出してくる
見たところ
異能力者が50人程、様々な種類の銃を持ったもの、
ナイフ、刀などを持ったもの…
それらが一斉に攻撃してくる
どう考えても……
先週の戦いの事を知っているのか、はたまた
仲間から情報を渡されたのか、
敵は左腕と右足の傷口を狙って攻撃してくる
攻撃を躱しながら、銃で素早く1人ずつ片付けていく
銃弾の予備が切れ、倒した敵の武器で戦い続ける
戦いも終盤になり、
敵もあと数十人になった
そこからも近づいてきた敵をナイフで斬りつけたり、
体術で倒したりする
そして、残るは先程の男だけになった
右手で左腕の傷口を押さえながら、敵に銃口を向ける
その瞬間、男の姿が徐々に消えていく
振り向いた時にはお互いが血を流していた
あなたの下の名前は腹部に、敵は心臓にナイフが刺さっている
敵が消えた一瞬の後、
あなたの下の名前の左手から銃が蹴り飛ばされた
あなたの下の名前は右手で瞬時にナイフをレッグホルスターから
抜いて敵へと向けた
結果、攻撃がお互いに命中した
そう云い、ゆっくりと男は崩れ落ちていく
私はそれと共に床に座り込む
腹部の傷口を左手で押さえながら、右手でスマホをとる
夜21時頃
探偵社の仕事(居ただけとも云うが)が終わり、社員寮に帰ろうと
扉のノブに手を伸ばす
すると、外套のポケットに入っていたスマホが振動する
画面には「あなたの下の名前」と表示されていた
途切れ途切れの声を不思議に思いながらも、通話を続ける
倉庫に着くと、凄まじい血の匂いに襲われた
その匂いに思わず顔を顰める
胸騒ぎがして倉庫の奥の方へ急ぐ
そこには血溜まりの中央に横向きに倒れているあなたの下の名前が居た
その腹部にはナイフが突き刺さっている
かろうじてまだ意識はある
けど…出血の量が尋常じゃない
体を動かせば傷口が更に開く可能性がある
だが…何もしないわけにはいかない
あなたの下の名前をゆっくり横抱きにして持ち上げる
右手で私の服を掴みながら苦しそうに云うあなたの下の名前
あなたの下の名前を抱えて最短ルートを走る
その間にも、私の手は紅く染まり、
服を掴んでいたあなたの下の名前の手も力なく落ちていく













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。