第115話

101話∞
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2026/05/23 02:38 更新
1週間後

任務中に負った左腕と右足の傷は

少しずつ治ってきていた

いつもは異能ですぐに完治していたため、

傷が治らない痛さを改めて感じていた


任務に行こうとしても首領に厳しく止められてしまった




エリス
リンタロウ…
森鴎外
ああ……あなたの下の名前くんは異能が使えなかったのだね

 
   ____________________________________________

その会話を、あなたの下の名前は医務室の扉越しに聞いていた
あなた
………

首領とエリス嬢には、これ以上迷惑は掛けられない

だから大人しくしていたのだけど……
私宛に一通の手紙、というか脅迫状が届いた
あなた
【お前の秘密を知っている】
あなた
秘密といってもどの年の何のことなのか判からないのだけど…
あなた
【**倉庫に1人で来い。来なければお前の秘密を世に知らしめる】
この手紙は先週殲滅した組織から届いたもの

どうやら、倒しそこねていた敵が居たらしい
あなた
(おそらくは私の異能の秘密……もしくは……)
あなた
結局のところ、行かないと拙いことになりそうなのは確か…
あなた
行くしかない
















マフィア本部を人に見つからないように移動し、

目的の倉庫へたどり着く

.
来たな
倉庫の中には、一人の男が中央に佇んでいた

そして、薄暗い倉庫には数百人、敵が隠れている

倉庫といっても

一軒家に備え付けられているようなものではなく

体育館よりもなお広い、巨大な倉庫だ

隠れているつもりだろうけど、殺気が漏れている

数は大体500人程

よく1週間でこの人数を集めたものだ



あなた
(傷を庇っての戦い……結構拙いわね)
.
お前に倒された仲間のためにも、
今ここでお前を倒す
.
その後に、お前の経歴の秘密を聞き出す
あなた
…経歴?
.
お前の経歴をどれだけ探らせても少しの情報も出てこない……
あなた
どんな些細な情報も、かしら?
.
ああそうだよ
.
マフィアに入っていることすらも
お前の年齢、出身など全てだ
あなた
なら、私の秘密を知ったとは、一体何のことなのかしら?
.
情報が隠蔽されているということは、知られたくないことがあるに違いないと思った
.
秘密を知ったといえば、誘き出せると思ったんだよ
あなた
(情報を隠蔽しすぎて、逆に怪しまれたのね……「偽装」をお願いしたんだけど…)
あなた
じゃあ、結局私のことは何も分からないのに、仲間の復讐のために呼んだと……
.
そうだ。お前の戦い方は頭に残ってる
.
後は、お前を倒すだけだ!
その言葉とともに周囲に隠れていた敵が一斉に飛び出してくる
あなた
見たところ

異能力者が50人程、様々な種類の銃を持ったもの、

ナイフ、刀などを持ったもの…

それらが一斉に攻撃してくる

どう考えても……
あなた
人数不利…
あなた
しかも…
先週の戦いの事を知っているのか、はたまた

仲間から情報を渡されたのか、

敵は左腕と右足の傷口を狙って攻撃してくる

攻撃を躱しながら、銃で素早く1人ずつ片付けていく

銃弾の予備が切れ、倒した敵の武器で戦い続ける







戦いも終盤になり、

敵もあと数十人になった
.
まさか、異能を使わずにここまで……
あなた
はあ…はあ…
あなた
っ(1週間休んでいたから、体力が…)
あなた
(それに、傷口が開いて……)
そこからも近づいてきた敵をナイフで斬りつけたり、

体術で倒したりする

そして、残るは先程の男だけになった
.
この人数でも…
あなた
はっきり云ってかなり危なかったけど…
(正直…もう立ってるのも…)
あなた
人を集めるだけじゃ勝てないわ
右手で左腕の傷口を押さえながら、敵に銃口を向ける
.
そうみたいだな
.
だが、ひとつだけ勘違いしているみたいだ
その瞬間、男の姿が徐々に消えていく
あなた
!異能…!(後ろから殺気…!)
振り向いた時にはお互いが血を流していた
あなた
っ…!
.
…!!
あなたの下の名前は腹部に、敵は心臓にナイフが刺さっている


敵が消えた一瞬の後、

あなたの下の名前の左手から銃が蹴り飛ばされた

あなたの下の名前は右手で瞬時にナイフをレッグホルスターから

抜いて敵へと向けた


結果、攻撃がお互いに命中した
.
ふっ……俺の異能でお前を倒そうと思っていたのに……逆に倒されるなんて……
そう云い、ゆっくりと男は崩れ落ちていく

私はそれと共に床に座り込む

腹部の傷口を左手で押さえながら、右手でスマホをとる
あなた
(此処からならマフィアの応援も時間が掛かる…というか、このことを知られる訳には…)
あなた
(となると…一番近いのは……)




夜21時頃

探偵社の仕事(居ただけとも云うが)が終わり、社員寮に帰ろうと

扉のノブに手を伸ばす

すると、外套のポケットに入っていたスマホが振動する
太宰治
画面には「あなたの下の名前」と表示されていた
太宰治
もしもし?こんな時間に珍しいね
あなた
『…太宰…?今、何処に居る、?』
途切れ途切れの声を不思議に思いながらも、通話を続ける
太宰治
丁度探偵社を出るところだけど…
何かあったのかい?
あなた
『ちょっとね…悪いんだけど…頼まれてほしいことが、あって…』


太宰治
判った
その倉庫に行けばいいのだね
あなた
『うん…お願い……』


太宰治
(何か、嫌な予感がする……念のため与謝野さんを呼び戻そう)




倉庫に着くと、凄まじい血の匂いに襲われた

その匂いに思わず顔を顰める
太宰治
敵の死体…それもこの数……
太宰治
!!まさか……
胸騒ぎがして倉庫の奥の方へ急ぐ
太宰治
!!
そこには血溜まりの中央に横向きに倒れているあなたの下の名前が居た

その腹部にはナイフが突き刺さっている
太宰治
あなたの下の名前!あなたの下の名前…!!
あなた
だ…ざい、?
太宰治
!!
かろうじてまだ意識はある

けど…出血の量が尋常じゃない

体を動かせば傷口が更に開く可能性がある

だが…何もしないわけにはいかない
太宰治
あなたの下の名前!悪いけどもう少しだけ頑張るんだ!!
あなたの下の名前をゆっくり横抱きにして持ち上げる
太宰治
(探偵社まで走れば、此処から五分も掛からない…それまで…)
あなた
油断…した…つもりは、
なかっ、たんだけど、ね
右手で私の服を掴みながら苦しそうに云うあなたの下の名前
太宰治
もういい!喋るな!
あなたの下の名前を抱えて最短ルートを走る

その間にも、私の手は紅く染まり、

服を掴んでいたあなたの下の名前の手も力なく落ちていく



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