第116話

102話∞
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2026/05/30 02:10 更新
探偵社の扉が見えると同時に

与謝野さんが扉を開けて、顔を覗かせた
与謝野晶子
!太宰
与謝野晶子
こんな時間に呼び戻して何の……
与謝野晶子
!?その血…!!
そう云うと同時に私の手の中のあなたの下の名前へ目を向ける
与謝野晶子
早く医務室に運びな!!
云われた通りに医務室へ運ぶ
与謝野晶子
太宰、あんたは部屋の外に出てな
与謝野晶子
この子は妾がしっかり治療するから
太宰治
はい…お願いします






暫く部屋の外で待っていると

与謝野さんが扉から出てきた
太宰治
与謝野さん!あなたの下の名前は……!
与謝野晶子
あの子なら無事、治療出来たよ
与謝野晶子
にしてもあの怪我……
太宰治
……何かあったんですか?
与謝野晶子
治療した後に腹部に刺さってたナイフを抜こうとしたんだけど……
与謝野晶子
今回の傷とは関係ないところに包帯が沢山巻かれていたンだよ
太宰治
包帯?
与謝野晶子
聞いた話によると、あなたの下の名前の異能は時を操るんだろう?
太宰治
………(傷跡が残っているのは不自然って訳だね)
与謝野晶子
ま、後は任せるよ
どうせ目が覚めるまで此処に居るんだろう?
太宰治
ええ、ありがとう御座いました




与謝野さんが帰った後、医務室へ向かい、

あなたの下の名前が眠っている寝台の横に椅子を置いて腰掛ける

暫くあなたの下の名前を見つめた後、静かに声をかける
太宰治
あなたの下の名前、起きてるんだろう?
その言葉と共にあなたの下の名前の瞼がゆっくり開いていく
あなた
気づいていたのね
太宰治
まあねえ
太宰治
にしても、君がそんなにやられるなんて何かあったのかい?
太宰は足を組み、そのうえに肩肘を乗せ、

更にその腕に頭を乗せながら云う
あなた
別に、何もないわ
太宰治
うーん……私の知っているあなたの下の名前はナイフをお腹で受け止めたりはしないけど?ニコッ
あなた
そんなニコニコした顔で云われてもね
あなた
それに、あれでも頑張って避けたのよ?
太宰治
と、いうと?
敵の異能が透明化だったこと、

一瞬で銃が蹴り飛ばされてナイフでなんとか応戦したことを

手短に話した
太宰治
なるほどねえ……
太宰治
ならもう一つ、
疑問に思ったことを聞こうかな
あなた
太宰治
君の体は瀕死になったら自動的に時が戻るって聞いたと思うのだけど
太宰治
現に、私がマフィアにいた時も君が怪我をして休んでいたところは見たことがない
太宰治
君も知ってる通り、私は医務室に入り浸ってることが多かったからね
あなた
(ほんとにサボってたみたいね…)
太宰治
君が其処に殆ど来ていないことは知っている
あなた
瀕死になったら自動的に時が戻る…それが、私にも条件がよく判ってないのよね
あなた
何処からが"瀕死"と捉えられるのか…
太宰治
今回の君の怪我はどう見ても瀕死だったよ
あなた
そうね
でも実際、私の体の時は戻らなかった
あなた
(そもそも、異能を使えない時点で戻らなかったっていうのも納得できるけれど、)
あなた
(それを太宰に云うわけにもいかないしね)
太宰治
………(何か心当たりがあるみたいだね)
太宰治
なら方向を変えよう
太宰治
与謝野さんの話だと、包帯が体中に巻かれてたみたいだけど、それはどうしたんだい?
あなた
はあ……あのねえ、プライバシーってものを知らないのかしら?
あなた
聞いていいことと悪いことが……
太宰治
女性の扱いには慣れているつもりだよ??
あなた
そう云う話じゃないわよ!
あなた
それに、その辺の女の人を口説きまわってる人が云うことじゃないわ
太宰治
おや、別に君が心中相手でもいいのだよ?
あなた
忘れたのかしら?私を選ぶなら、私に勝ってもらわないとね?
太宰治
げ、そうだった…やっぱり辞めておくよ、
太宰治
で、話を戻すけど
どうなんだい?
あなた
……最近は異能を使わずに任務をこなす鍛錬をしてるのよ
あなた
まあ、異能に頼りすぎてた面もあるから、いざ使わないとなると
あなた
避けきれない攻撃も一つや二つあるわ
あなた
ただそれだけ、どう?もういいかしら
少しの沈黙の後、太宰が口を開く
太宰治
ま、そういうことにしておこうかな
太宰治
云っとくけど君、
嘘ついてるのバレバレだからね?ニコニコ
太宰治
君も中也と同じくらい長い付き合いなんだ。君の癖も把握済みだよ?
あなた
さあ?本当の事を嘘のように云っているだけかもしれないわよ?ニコニコ
あなた
一応聞くけど、
何処からが嘘だと思ってるわけ?
太宰治
うん?勿論、瀕死がどうとかの処からだよ
あなた
(うわ、なんで判るのよ、)
あなた
(本当にあの人みたいだわ…此方の考えを見え透いてくる感じ)
??
貴方は嘘が判りやすいですからね
太宰治
どうやら正解みたいだから……
明日は覚悟しててね?
うっ……目が本気ね…
あなた
あーもう!私帰るから!
そう云って寝台から起きようと体を動かす

その瞬間、腹部に痛みが走った
あなた
いっ…!
太宰治
ああ!云い忘れてたけど
太宰治
君のお腹の傷だけ塞がってないから、まだ寝てたほうがいいと思うよ
あなた
え、なんでお腹だけ……
太宰治
本来ならナイフを抜いてから完全に治療するつもりだったのだろうけど…
太宰治
あの出血量じゃ、ナイフを無理に抜くと瀕死どころじゃなかったからね
あなた
つまりは……
あなた
ナイフを抜く前に、その他の傷を治してから、ナイフを慎重に取り出したと……
太宰治
まあお腹の傷は明日与謝野さんが治療してくれるらしいから、ね?
そう云いながら私の肩を寝台の方へとゆっくり倒す
あなた
………確か与謝野さんの能力は瀕死の重傷しか治せないはず……
太宰治
ふふふ、頑張ってね??笑
薄れゆく意識のなかで治療室を見たけど…

チェンソーが見えた気がするのは気の所為よね…?
太宰治
私、今夜此処に泊まるから
あなた
え、なんでよ
太宰治
なんでも何も
太宰治
朝になってマフィアの君が此処に居たら国木田くんとかが大騒ぎするでしょー?
あなた
そうだけど……
太宰治
じゃ、お休み
太宰はいつの間にか持ってきたのであろう小さい机に

突っ伏して眠りだした
あなた
………大人しく寝るしかないわね…



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