第24話

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2026/02/12 10:17 更新
.太宰治
……


ヨコハマのとある一つのアパート。

特に厳重なセキュリティもなく、ごく普通なその建物の前を太宰は見上げた。


.太宰治
……これで間違っていたら承知しませんからね、乱歩さん。


外から中へとつながる階段を4階まで上がり、太宰は404と書かれた部屋の前でピッキング用のピンを取り出す。

カチャリ、と数十秒かからずに開いたその扉の奥から感じられる強烈な血の匂いに太宰は無表情で中に入る。


森鴎外
おや、随分と早いお迎えだね太宰君。


そこにはあちらこちらに死体が散らばり、拷問した後のような血だまりがあちらこちらに広がっていった。

壁にまでべったりとついたそれは幾日か前のモノなのか腐敗した匂いまでしていて普通の人間なら卒倒しているような惨状だ。

そんな中優雅にソファの上でコーヒーを飲んでいる森に太宰は冷ややかな笑みを浮かべた。


.太宰治
貴方が居なくなったおかげで私がどれだけ働きづめにされたかしっていてその態度ですか?

森鴎外
えぇ!?これでも譲歩したつもりなんだけどなぁ……


困ったような表情を浮かべる森のその言葉の意味も太宰はよくわかっていた。

有馬祐樹、そして水野愛。

この事件の裏に居る二人がポートマフィアを脅かす存在であることはわかっていることである。

だから一先ず生きていることを敵方にはもちろん、味方にも公言はせず、ひたすらに身を隠す。

それが森が導きだした最適解だった。


森鴎外
迎えも来たことだしそろそろ帰ろう、あなた君。


飲んでいたコーヒーを机に置き、森は目の前で只一人生きている男にナイフを突き刺しているあなたを見た。

ゆらり、と立ち上がった彼女は目に真っ暗なハイライトを写し、只冷たい無表情を浮かべていた。

久しぶりに見たあなたのその表情に太宰は表情を変えずに彼女の持っていたナイフを渡せるように手のひらを差し出した。


あなた
……


だがあなたはそれを無視し、ナイフ持った自分の手を見つめ、そして太宰を見た。


あなた
……酷い隈。

.太宰治
あなたもなかなかひどい顔してますよ。

あなた
はは、心外だなぁ。


あなたはそう言いながら太宰の胸元にドサリ、と倒れこんだ。


あなた
……少し疲れた。

.太宰治
……私も今人一人抱えられるだけの体力は残ってないんですけど。

あなた
……太宰が運んでくれないと、私が首領に運ばれることになるよ?

.太宰治
……それは嫌ですね。

あなた
奇遇だね、私も嫌だ。

森鴎外
二人とも酷くないかい?


ゆっくりと目が閉じられていき、完全に体重を太宰に預けたあなたから規則正しい寝息が聞こえてくる。

その姿にはぁ、とため息をつきながらも太宰はほんの少しだけ口角を上げた。


.太宰治
……お疲れ様です、あなたさん。

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