部屋の沈黙は、数時間にもわたって続いたように感じた。
アホっぽい空気に夜トも
と言って、雪器をといた。
しばしの間の、沈黙を破ったのは、雪音くんだった。
「夜トひよ尊イ! 尊イ!!!!!!!!!」
腕に向かって怒鳴ると「ピィッ」と鳴きだした。
妖のくせに可愛いこぶんな。
夜トがコホンと、カッコつけて喋りだした。
そう言った夜トに抱き寄せられ、ひよりちゃんは真っ赤になった。
照れが百パーセントだろうな。
照れ隠し(多分)に、ひよりちゃんは夜トに関節技を仕掛けた。
「ギャーン! 生夜トひよ、シュきいいいいいいん💞」
おまけに、私の腕は懲りずに騒ぎ出す。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!