ナイトメア侯爵夫人の発言はすべて『』で表される。
その他人物(ナイトメア侯爵含む)はすべて「」で表される。
『そうね……どうやら今回のオシオキは失敗したらしい。』
「そうなのか。」
『もちろんよ。ほら、ここの映像の最後を見てごらんなさい、エドワルド様。』
「分かった、見てみようではないか。」
―侯爵が内容をもう一度確認するような音が流れる。
「……どうして機能しなかったんだ。おかしいぞ。」
「確認を急げ。」
「はい、分かりました。」
(職員の発言)
『エドワルド様、そろそろあの日が近づいておりますね。』
「あぁ、そうだな。」
『射的ばかりの祭り…何だか奇妙な感じがします。』
「一体誰の提案なんだが……」
『とある職員の方が提案しておりました。あの新しく入った…』
「わ、私のことでしょうか。」
(職員の発言)
「そう、貴方が提案したのでしょう。」
「はい、その通りでございます。」
(職員の発言)
「ほぉ…面白いな。」
『エドワルド様……』
『……どうしてエドワルド様が無様に死ななければならなかった?』
『なぜ彼らは別館を燃やした。』
「ええと……」
(職員の発言)
『なぜ止めなかった?』
「それは…私達の確認不足です。」
(職員の発言)
『生徒の様子をいつでも監視できたはずだ。』
『それなのに、どうして監視を怠ったのだ?』
「すいません、侯爵夫人様。」
(職員の発言)
どうも聞き覚えのある声だった。
でも、そう上手くは思い出せない。
職員が持っていた音声データは流れ続ける。
『転校生、呼ぶのね。インキュバス子爵さん。』
「もちろんですとも。」
『どうして呼んだ?さすがにいらないでしょう?』
「それは……」
『説明しなさい。』
「えぇ…」
『追加する必要がないのに、なぜそんなことを?』
『そろそろオシオキに失敗したあの生徒の捜索を行う。』
「はい。」
『何か手がかりがあれば、一刻も早く私に報告を入れなさい。』
「分かりました。」
『……そろそろ私は裁判にかけられ、裁かれる。』
『エドワルド様の元へ、私は行ける。』
そして、音声データはこれで終わった。
長かったような、短かったような、そんな感じだ。
この話から推測してみると、きっと成間のオシオキ後のデータだな。
……って、成間、アイツ生きていたみたいだな。
突然、更科が頭を抱えた。
もしかしたら……
きっと、これで……更科の記憶が取り戻せる……かも、な。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!