階段を降りてキッチンに向かうと、
抱っこ紐であなたを背負っているツッキーがいた。
結婚している現実に慣れないのは俺だけだった。
そう言いながらあなたに笑いかけるツッキーは、
もう立派な父親の顔になっていた。
もちろん嬉しさもあるけど、もう俺だけのツッキーじゃない実感が
少しずつ湧いてきて、悲しかった。
俺は膝の上のあなたのほっぺをもちもち触りながら
ツッキーに話しかけた。
ツッキーは手馴れたように机に俺たちの朝食を運んで、
あなたのご飯も運んできた。
ツッキーと俺が声を揃えて「「いただきます」」と言うと
あなたが見よう見まねで手をパッチンと合わせた。