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第2話

1.つきとやまと、そのこどもの朝
35
2024/07/10 23:00
山口忠
ツッキー、おはよぉ……
階段を降りてキッチンに向かうと、
抱っこ紐であなたを背負っているツッキーがいた。
月島蛍
おはよ、忠
結婚している現実に慣れないのは俺だけだった。
山口忠
うー、その呼び方まだ慣れない……
山口忠
山口って何十年も呼ばれてたし……
月島蛍
いい加減慣れなよ、あなたが産まれる前の
十数ヶ月前から呼んでるわけだし
(なまえ:ひらがな表記で下の名前)
あなたのひらがな表記で下の名前
まんま………
月島蛍
ちょっと待ってね、もうちょっとでできるから
そう言いながらあなたに笑いかけるツッキーは、
もう立派な父親の顔になっていた。

もちろん嬉しさもあるけど、もう俺だけのツッキーじゃない実感が
少しずつ湧いてきて、悲しかった。
山口忠
ツッキー俺も手伝うよ
月島蛍
あなたのことあやしててくれると僕、助かるな〜
山口忠
、! 
山口忠
俺、向こうであなたのことあやしてるね!
月島蛍
ありがと
山口忠
あなた〜!俺と向こうでご飯できるまで遊ぼっか
(なまえ:ひらがな表記で下の名前)
あなたのひらがな表記で下の名前
たーちゃ!
山口忠
あなた〜お膝の上おいで〜
(なまえ:ひらがな表記で下の名前)
あなたのひらがな表記で下の名前
あい!
山口忠
そういえば、あなた、いつの間にか喃語喋ってたよね
俺は膝の上のあなたのほっぺをもちもち触りながら
ツッキーに話しかけた。
月島蛍
確かに、気付いたらおしゃべりさんになってたし
月島蛍
僕たちのこと、結構呼ぶようになったよね
山口忠
たーちゃん………ツッキーの言った通りの呼び方になったね
月島蛍
「たーちゃんじゃない?それか、忠って上手く言えなくてたやしとか」とは言ったけど…。
まさかその通りになるとはね。
山口忠
じゃあツッキーは、けーちゃんだよね
月島蛍
ちゅっきーなんて呼ばれなくて良かったよ
山口忠
ちゅっきーって呼んでたら間違いなく、原因は俺だね
月島蛍
本当に良かったよ。
(なまえ:ひらがな表記で下の名前)
あなたのひらがな表記で下の名前
まんまぁ……
月島蛍
今持ってくからね
ツッキーは手馴れたように机に俺たちの朝食を運んで、
あなたのご飯も運んできた。
月島蛍
食べよっか
山口忠
うん
ツッキーと俺が声を揃えて「「いただきます」」と言うと
あなたが見よう見まねで手をパッチンと合わせた。
(なまえ:ひらがな表記で下の名前)
あなたのひらがな表記で下の名前
ましゅ!
山口忠
ツッキー!あなたがいただきますってした!
山口忠
パッチンできて偉いね〜!
ツッキー!うちの子天才かも知れない!
月島蛍
可愛い……
山口忠
うん!!可愛いよね!!流石うちの子!!
月島蛍
違う、可愛いのお前あなたは勿論可愛いけど。
山口忠
え…………///////

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