七瀬 萌美 視点
なによ、アイツ!
きっと翠くんは赤樹の事が好きなんだわ!
翠くんには一目惚れをして、日々仲良くなろうと努力してきた。でも、話に行こうとしたら赤樹が……!
いっつも楽しそうに話してるもの!
あんなの、許せるわけないじゃない……!
赤樹は翠くんのことどう思ってるか知らないけど、赤樹より私の方が翠くんを好きなのに!
シャークん視点(寝てるとこの続き)
broooockの事きっと、好きなんだろうな。
……あ、そろそろ時間か
寝起きのbroooock、可愛いな……。
ほんと猫だよなbroooock。
俺は今度は無意識に頭に手を伸ばしたみたいだ。
やばい、引かれたか……?
最悪……。
broooock視点
はぇ……な、え!?
い、いま……僕のことなでた……?
なでたよね…!?
し、しかも…無意識って、……。
顔に熱が溜まる。
まさか、僕……シャークんのこと、
好き、なのかな……
いや、前から思ってたよ!?
……そろそろ、自覚しなきゃか…。
…………運命の赤い糸は僕と繋がっていない。
同性恋愛って、やっぱりダメなのかな。
僕はそこから、シャークんへの気持ちについて考えて過ごした。
そしたらいつの間にか下校時間になってみんな帰っていき始めていた。
気にしてたのか……別にいいんだけど、
今日は帰ったあと何してるーとか、学校でしたいこととかを話しながら帰った。
やばい、これから何を思ってシャークんと入ればいいかな、……。
自分の気持ちを理解した途端、シャークんといると余計心臓がうるさくて、どうにかなりそうだ。
……シャークん、
僕は時間を気にせずに、お風呂に入って課題を終わらし、すぐにベッドに沈んだ。
でも、いつもとは違いなかなか寝付けなかった。
どうしよぉ、……、
しばらくたって、ようやく眠りについた。
起きたのは5時30分だが、6時間しか寝れていない。……普通だって?
僕からしたら短いのだよ!
う〜、学校でいつもより寝ることになりそうだな……。
僕はぽわぽわしながら準備をして、外に出た。
高校に歩いてると、シャークんの小指に巻きついた赤い糸に目がいった。
……。
僕とシャークんの糸を切る事ができて、さらにくくり付けることができれば、僕とシャークんは運命で結ばれるのだろうか。
この前遊んだ時に気持ちに気づいて試しておくべきだった。
それか、学校でシャークんが見てない時に……。
でも、周りからしたら糸見えてないしハサミで何切ってんだこいつってなるよね……
でも、やるしかないかぁ……?
シャークんと、繋がりたい。
まぁ、今日は寝ちゃうと思うけど……。
シャークんは本当に僕を心配してくれてる目で僕を見つめた後、手を取る。
やばい、心臓バクバク言ってる。
せっかくなら今の時間を大切にしようと思い、少しだけシャークんの手を握る力を強くした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。