〜 翌日 〜
《 3年C組 教室 》
👑 Side
クラス内で小さな衝突が起きた
些細な意見の食い違い
感情が先に立っただけの、よくあるくだらない揉め事
でも、シャルルは即座に介入した
静かな声
それだけで、空気が一段冷える
的確な指摘
正しい判断
誰も否定できない
衝突は、確かに収まった
____ でも
その場を離れた生徒の一人が、ぽつりと呟いた言葉…
その言葉は、軽かった
冗談交じりで、悪意はない
けれど ____
____ シャルルは、ほんの一拍だけ、返事をしなかった
微笑みは崩れない
声色も、いつも通り
でも、演技力はまだまだね
まぁ、本人は隠せているつもりなんでしょうけど
❄️ Side
胸の奥で、何かが “ 沈む音 ” がした
理由は、分からない
思い出せない
思い出す必要も、ないはずなのに ______
____ どこかで、雨音に似た音がした
〜 同時刻 〜
《 タワーデザイア寮 寮長室 》
🍧 Side
今日の午後は授業が休みだった
なんでも、先生が家庭の事情でお休みらしい
自習にして欲しいという思いに蓋をして、自室で報告書に目を通していたものの、不意にペンが止まる
普段のシャルル先輩なら、書類を渡してから3日は熟考してから返してくれる
でも、この書類は渡した翌日に返ってきた
これだけじゃない
ここ数日で渡した書類は、全て手元に返ってきている
間違ってはいない
むしろ正確すぎる
けれど、そこには 「迷い」や「躊躇」が一切ない
まるで ____
胸の奥に、小さな不安が芽生える
でも、今はまだ確信に変えることは出来なかった
〜 その夜 〜
《 タワーデザイア寮 談話室 》
🩵 Side
談話室で、ソファに寝転びながら天井を見ていた
隣の席に、シャルルはいない
シャルルの部屋の明かりが消える時間
廊下ですれ違う時間
どうでも良いし、なんて事ないこと
でも、そこに小さな違和感を感じている俺がいる
そう呟くものの、拭いきれない違和感が胸に残る
誰も、何も言わない
誰も、まだ気づかない
深海は静かだ
音を立てず、すべてを溜め込んでいく
そして、溜まりすぎたものは ______












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。