ポートマフィアの廊下。
任務終わりの、まだ火薬の匂いが残る夜。
あなたは小さくため息をついて、渋々手を差し出す。
治はその手首を軽く掴んで、じっと見る。
その声音が少しだけ低い。
あなたは目を逸らす。
その時。
背後から、聞きなれた声。
あなたが振り返ると、中也が腕を組んで立っていた。
治は振り向きもせず、あなたの手を離さない。
あなたは小さく笑う。
治はくすっと笑って、ようやく中也を見る。
あなたは治の袖を軽く引く。
中也は舌打ちして、二人を見る
あなたが首を傾げる。
一瞬、沈黙。
治は平然と答える。
あなたは少しだか頬を染める。
治はわざとらしく目を細める。
あなたは治の腕を軽く叩く。
中也は呆れたように息を吐く。
治の表情が一瞬だけ変わる。
低い声。
あなたの腎臓が高く鳴る。
治は少しだけ目を細めて笑う。
中也は二人を見て、面倒くさそうに手を振る。
あなたは小さく笑って、治を見る。
治は当たり前のようにあなたの手を取る。
その言葉は、何の疑いもなく交わされた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!