第39話

38話
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2024/03/29 10:40 更新


夜久 side



きっかけは分からない。というよりない。


気づけばあなたを好きになっていた。ただそれだけのこと。




東雲 あなた
私...夜久が思うような良い人なんかじゃないよ
夜久 衛輔
...そうだとしても、あなたが思うほどあなたは悪い奴でもない
東雲 あなた
・・・



優しいとか、明るいとか、ノリが良いとか。


好きになった要因はあっても、そこが( ・)。そこだけ( ・ ・)が好きなわけじゃない。



東雲 あなた
私は、夜久を苦しめてばかりで
夜久 衛輔
今の現状を望んだのは俺だ
東雲 あなた
でも、苦しめてるのは事実でしょ?
夜久 衛輔
それはお前も同じだろ?...今が苦しくても、その先で笑えてるなら十分幸せだよ



声が震える。



あなたの肩がじわりと濡れる。多分、俺のそれ( ・ ・)に気づいてて。それでも言わないでくれている。



かっこ悪いのも、ダサいのも、うじうじしてんのも全部俺だ。



東雲 あなた
ねぇ、夜久



当然といえば当然な問い。





東雲 あなた
...なんで、私なんかを好きになったの?



さっきと似た問い。



夜久 衛輔
あなただから( ・ ・ ・)



迷うことなくそう答えた。



夜久 衛輔
優しいとことか、周りをよく見てるとことか、面倒見がよいとことかノリが良いとことか、困ってる人がいたら進んで手を差し伸べるとことか。
夜久 衛輔
あなたの良さは俺がよく知ってる
夜久 衛輔
でも、あなたを好きでいるにはそんなのどうだって良い
夜久 衛輔
俺が好きになったのはあなたで、好きになった要因があなたの良さだとしても。俺はあなただから( ・ ・ ・)好きでいる



『 ずるいかな 』苦笑気味に零すと、『 ずるいよ。』と返ってくる。



でも、どこか嬉しそうな声で。あなた自身を肯定しているような声で。俺も嬉しくなる。



未だ肌に感じるあなたの体温。その熱さがどれだけあなたが苦しんでいるのかを思い知らされる。


助けになりたい。あなたを好きになった特別な何かがなくとも。あなたに持った特別な感情に嘘をつきたくない。...幸せにしてやりたい。



夜久 衛輔
あなた、俺はずっと待ってる
夜久 衛輔
あなたが俺を見てくれるまで何回でも想いを伝える
夜久 衛輔
あなたが自分に自信を持てない時は俺がいくらでもあなたの良いとこを言ってやる
夜久 衛輔
...俺はずっとあなたに対して素直でいたい
夜久 衛輔
だからさ、前も言ったけど俺といる時だけでも良いから。自分の気持ちに素直でいてほしい
東雲 あなた
... でも、
夜久 衛輔
良いんだよ



いつでも、他人を優先しちゃうやつだから。



夜久 衛輔
...言ったろ?俺は黒尾を忘れるための道具で良いって
夜久 衛輔
あなたが黒尾を好きでいることは否定しない。あなたの気持ちを否定したくない
夜久 衛輔
何年先でも、何十年先でも良いから
夜久 衛輔
...俺を好きになってくれるまでずっと待ってる
東雲 あなた
・・・



あなたは黒尾への気持ちを押し殺しているのに


俺は俺のわがままな感情をあなたに押し付ける。


ダサくても、カッコ悪くても良いから。



夜久 衛輔
好きだよ、ずっと



...俺は、あなたのそばに居たい。















東雲 あなた
私、



少しの沈黙の後、掠れた声で話し出す。



東雲 あなた
絶対、これからも夜久を傷つけることになる
東雲 あなた
振り回すことになる
東雲 あなた
.....クロへの気持ちを、無かったことに出来ないかもしれない
東雲 あなた
それでも良いの?



期待を含んだ声で。俺を信じてくれているような声でそう聞いてきた。



夜久 衛輔
俺はそれを望んでる
東雲 あなた
.....そっか




どれだけ抱きしめても、あなたの手が俺に回ってくることはない。


それが今のあなたの気持ち。分かってる。


全部、覚悟の上のわがままだ。



東雲 あなた
 “ ありがとう ” 
夜久 衛輔
... !



いつも、自分に自信がなくて謝ってばかりのあなただった。




夜久 衛輔
おう!



そんなあなたを、少しでも変えられたのなら


.....俺があなたを好きでいることに意味が生まれる。



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