第3話

H・R
27
2020/06/29 09:30 更新
乙川あいら先生
乙川あいら先生
はぁい、それでは初めてのHRを始めるわよぉ~。じゃっ、先生の自己紹介からぁ~。
そういうと乙川先生は、にこりと笑う。

そんな先生を無視して、早速男子たちが騒ぎ始める。
男子生徒たち
男子生徒たち
あー、もうクラス分け酷いよなー。
男子生徒たち
男子生徒たち
ったく、別のクラスが良かったぜ。
男子生徒たち
男子生徒たち
だってあの……
男子生徒たち
男子生徒たち
”幽霊”がいるもんな!
夜野(なまえ)
夜野あなた
(幽霊……?)
下品に笑う男子たちの言葉に、眉をひそめる。

幽霊とは、どういうことだろうか。

この世界には魔法はあれど、幽霊のようなものはいない。

それこそ科学と魔法に嘲笑われるほどの存在だ。
乙川あいら先生
乙川あいら先生
黙った方が身のためよぉ? ユウトさぁん、コウタさぁん、ヒロさぁん?
そう先生が笑顔のまま一言いうと、三人はびくりと身を固まらせた。
 
乙川あいら先生
乙川あいら先生
そうよぉ、それでいいの。それじゃ改めて、自己紹介をするわね~?
乙川先生は満足そうに笑う。
 
でも、目が笑ってない。

私は寒気がして、体を震わせた。





☆★☆★☆★

休み時間。

男子生徒たち
男子生徒たち
やーいっ、幽霊-っ
そう言われた軽い声に、瀬川くんがびくりと反応したのが見えてヘッドフォンを外す。
夜野(なまえ)
夜野あなた
(そっか、あれ、悪口……。)
男子生徒たち
男子生徒たち
口もきけねぇのか幽霊はよぉっ!
瀬川ゆき
瀬川ゆき
……………ごめん。
瀬川君は、ただ謝る。

見てられなくなって、がたんと音を立てて立ち上がった。
夜野(なまえ)
夜野あなた
……瀬川君っ! ちょっといい!?
瀬川ゆき
瀬川ゆき
え、……
我ながらお粗末な演技だ。

でも私は、そのまま瀬川君の手を引いて教室の外へと飛び出た。

幸いにして、男子たちは追いかけてこない。

私はすぐに息を切らしてへたりこんだ。

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