第26話

情報って重要
39
2026/05/01 10:00 更新
それぞれの部隊について、馨が説明していく。


「戦闘部隊は、桃機関と最前線で戦います」


生徒の半数くらいは、この部隊を希望している。

四季くんに碇くん、迅くんも確定ではないけど多分ここ。

能力だけで見れば、殆どが戦闘向きと言えるね。


「医療部隊は、戦闘で負傷した者の治療だけではなく、隠れて生活している鬼の診察なども行います」


明確に医療向きの能力を持っている生徒はいないけど、戦うよりも誰かの役に立ちたいと思う生徒がいたら、この部隊所属になるんだろう。


「そして偵察部隊の主な仕事は、隠密。僕たちは敵に悟られることなく、情報収集や追跡、時には接触します」


能力で見れば従児くんが合っている。

5キロ圏内の生物を確認できて、さらに桃太郎かどうかもわかるのは、当然敵の配置を知ることにも役立つ。

桃太郎の襲撃への対処も得意だろう。

とか考えていたら、従児くんが馨に質問する。


「あの、1ついいですか?」

「はい、どうぞ」

「今日って、いろんな話を聞くんでしょうけど、ノートとかとらなくていいんですか?」


昨夜の発言が嘘のような優等生っぷり。

でも、普通の学校の優等生って感じ。


「逆に聞きたいんですけど、敵の前でもノートを広げられますか?」

「あ…」

「もちろん記録を取ることは重要です。だけど僕たち偵察部隊は主にここに大事な情報を収める」


自分の頭を指差す馨。


「それが、命懸けで得る情報なら尚更ね」


さらっと自然にタメ口になった馨は、また敬語に戻って話す。


「さっき僕は、練馬の隠れ家を君たちには教えませんでした。もうその理由はわかりますよね。もし誰かが桃太郎に捕まって拷問されたりしたら、困るでしょ」

「!」

「んなことされたって喋らねえよ」


口を尖らす四季くん。


「その気持ちは素晴らしいと思います。でも桃太郎は、そんな甘い存在ではありません。それに、桃太郎が鬼と同様に様々な能力を持っているのは、知ってますよね」

「…」

「…あ、あの。それって人の心を読んだりできるのもあるんですか…?」


おずおずと帆稀ちゃんが質問する。


「その可能性が無いとは言い切れません。特殊な能力を持つ桃太郎は、仲間内でもその詳細を秘密にしているらしいです」


敵に詳細がバレて対策されないように。

味方が知らない方がやりやすい。

あるいは、敵を騙すには味方から、といった理由からだろう。

まあ、一番目の理由が最も多いはず。


「でも、もしその情報を手に入れられれば…」

「!」


馨が全て言わずとも、生徒たちは理解した。


「だから情報って重要なんですよ」

プリ小説オーディオドラマ