第43話

お前らに任せる
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2026/06/30 10:00 更新
1名逃げ出すというこちら側としても想定外なことはあれど。

神門くんが四季くんに近づいたことで、意識はそちら側に移る。


「ケリをつけよう」


前に会った時の好青年っぷりが嘘のよう。

声に温度はないし、目が据わっている。


「ケリってなんだよ!俺はなァ!」

「喋んなよ」

「…!」

「言ったろ。君の話は聞きたくないって」


神門くんは背後を指差す。


「ついてきなよ。2人になりたい」


そう言って四季くんの答えも待たずに歩き出す。

四季くんもそれについていく。

そんな四季くんを見て、無陀野先生は淀川先輩に目配せ。

淀川先輩は能力を使って透明になった。

2人を追ったのかな。


ドンッ!!!


「無陀野ォ!!!!」


色黒さんが地面を踏み締める。


「前の続きをやろうぜェ!」

「ねえ、次僕でしょ?」

「バーカ、第二ラウンドだよ。続いてんだ」


確かに戦闘狂だ。

普通の桃なら、名前が知れている無陀野先生と戦いたいなんて思わない。

誰かを助けようとかそういう気持ちがあっても、自分の命は惜しいものだから。


「幸せな奴だな。俺に手も足も出なかったことすら忘れられるなんて。それとも、ただの馬鹿か?」

「確かに第一ラウンドはお前の勝ちだ。けど、第二ラウンドは俺はぜってぇ負けねぇ!理由はお前が強いからだ」


色黒さんの手に細菌が集まる。

能力を使う気だ。

私は生徒を庇うように一歩前に出る。


「無陀野ォ。お前が強ければ強いほど、自分の強さに苦しめられる!雨過転生!」


「これって」

「…!」


無陀野先生の能力?

技名からしてまんまだよね。

兵士を作り出すのも、空中で弓を引いて構えているのも。


「初めて見た時からやってみたかったんだよ!」


色黒さんが手を下ろすと、それに合わせて大量の矢が降り注ぐ。

その矢の威力で、爆風が起き、整備されていない地面からは砂埃が舞う。


「怪我は?」

「だ、大丈夫です」


けど負傷者はいない。

無陀野先生が血を使って盾を作ったから。


「無陀野ォ!さあ、やろうぜ!言っちまえば、てめぇバーサスてめぇだ」


はぁ、と無陀野先生が息をつく。


「お前たち」

「?」

「アイツはお前らに任せる」

「え?」

「あれくらいお前らでどうにかしろ。十河もいるから多少の無茶は許容範囲だ」

「は?てめぇ、どういうことだ!」

「猿真似に興味はない」

「っ、くぅ…」


無陀野先生にバッサリと切り捨てられて、色黒さんは悔しそう。


「嬉しいねぇ。ご指名かい?」

「は?」


月詠さんは無陀野先生の視線を汲み取ったらしい。

月詠さんの方が厄介ってことか。

まあ当然だよね。

隊長格なわけだし。


「ハァァ!?なんだよそれ。戦いもしねえのかよ!?」

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