第28話

採血だけ
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2026/05/08 10:00 更新
偵察部隊、医療部隊、戦闘部隊と3つの部隊に話を聞き終わったら、もう日が傾いていた。


「今日の見学は以上だ」

「やばい。頭に入りきらねえ」

「すみません。筋肉がなくてすみません」

「眩暈がする。もしかして何かの病気なのかもしれない…」


「大丈夫か?私の膝で休んでいいぞ」


お勉強がそこまで得意じゃない四季くんは覚えることが多く、帆稀ちゃんは戦闘部隊の訓練で自分の力の無さを知り、苦戦していた。

ロクロくんと水鶏ちゃんはいつも通り。


「この程度でへばるな。明日はそれぞれ気になった所にバラけて、さらに細かい見学だ」


こうして2日目の実習は終了した。

最も私は、採血に行く四季くんの引率という仕事があるけど。


「じゃあナツくん。行きましょうか」


土地勘があるわけじゃないから大人しくスマホの地図を見て、1軒の団地にたどり着く。

目当ての部屋の前に着いてインターホンを押すと、返事もなしにドアが開いた。


「ういーす、うぃっす。十河、そっちが目当ての子だね。2人とも入んなー」

「お邪魔します」


医師兼研究者のメアリー亜紀さん。

メガネにソバカスと魅惑の唇、高身長で胸が非常にでかい。


「失礼します」

「キミが鬼神の子かー。カワイイじゃん」


珍しく四季くんが行儀がいいけど、まあ、あれだよね。

男子高校生って感じだなー、うん。


「はーい、終了」

「え、終わり?」

「まあ、採血だけだしね」


注射器1本分の血を採って、採血は終わった。

カルテを書く亜紀さん。


「ん?」


亜紀さんに反応され、四季くんはやましいことを考えていたのか、顔を逸らす。


「見たいなら見ていいぞ。ほれ」

「亜紀さん、セクハラですよ」


服を捲って胸を露出させる亜紀さん。

男子高校生には刺激強いって。

四季くん、放心状態になってるじゃん。


「つっても私の垂れ乳じゃあれか?十河…は乳なかったな」

「悪かったですね、まな板で。というかいい加減服下ろしてください」


私がそう言うと、亜紀さんは素直に服を下ろした。

そこでようやく四季くんの反応に気づいたよう。


「あれ、童貞か?」


その言葉にグッと言葉を詰まらせる四季くんに、亜紀さんは畳み掛ける。


「童貞なら、もらってやろうか?」

「亜紀さん、完全アウトですって」


タジタジになった四季くんは、前のめりになった亜紀さんから離れようとして、椅子ごと後ろに倒れ込んだ。


「その、なんで!?」


声が裏返っている。


「ま、生理中だから今度だけどねー。そん時は性癖捻じ曲げてやんよ」

「はァ!?」


四季くんは立ち上がると、逃げるようにドアへと向かった。


「じゃ、じゃあ俺はこれで」

「垂れ乳は嫌いだったか?美乳なんざクソ喰らえだろうが」

「亜紀さん、そういうんじゃないですよ。私もこれで失礼します。採血、ありがとうございました」

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