_2038年8月2日 5:00_
情報管理室で作業をしていると、ゾムが部屋に駆け込んで来たんや。
一度パソコンから目を離してゾムに向き直ってどうしたのか話すよう促すと、
ゾムは早く起きたからいるやろとベントからシャオロンを驚かすために部屋に入ると、
寝ているはずのベッドには誰も居なくて冷たくなってたらしい。
ゾムに声を掛けながら、パソコンに向き直ってGPSを探ったんよ。するとなー?
食堂
そのあと、グルッペンとトントンとゾムで歌国に行ったんや。
じゃあ、トントンにバトンパス。
え、俺ぇ?まあ、ロボロは話でしか知らないもんな。
うん、それで3人で歌国に行くと向こうの外交官のそらるさんっちゅう人が迎えてくれたんや。
そらるさんが戸惑ったようにそう言ってたから、
ホントに知らないんやってなって事情を説明したんよ。
そう言ってそらるさんはシャオロンがいるところまで案内してくれてな。
その場所は廃墟になった昔の城が置かれているらしくてな?
幹部と総統以外は許可がないと入れないからその前の植物園みたいな
たくさんの花が咲いている場所で待つように言われたんよ。
今でも覚えとるわ。すごい幻想的で綺麗じゃ済まされないような言葉にしづらい場所やったで。
そんなところで、じっくり待ってると総統のまふまふさんを連れて、
そらるさんが出てきて困ったような顔をしとったからどうしたのか聞いてみたんや。
ゾムの不安そうな言葉にまふまふさんは子供に言い聞かせるように、ゆっくりと、
そして優しく話したんや。まるでこっちまで気持ちが落ち着いてくるくらいやったわ。
そらるさんが言い切ったのを聞いてゾムは安心したんやろうな。
満足したように大きく頷いとったわ。
トゥルルルルル…トゥルルルル…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!