第12話

奴らの罠
294
2024/05/29 15:00
No side
イフ
イフ
罠.....か.......
ナイコ
ナイコ
.....さっき俺も同じこと考えてた
イルマ
イルマ
そう簡単に居場所が見つかるなんて普通に考えておかしいもんな.....
ホトケ
ホトケ
でもでも!イフ君も言ってたけど、1度行ったら帰って来れない.....かもなんでしょ?
ホトケ
ホトケ
そんな所に拠点を作ってもおかしくないんじゃない?
クニ
クニ
.......それも、彼等の作戦だとしたら.....
コエ
コエ
!.....そこを仮にして僕らをおびき寄せて.....
スチ
スチ
魔王はあるとされる別の拠点に移動.....
ナイコ
ナイコ
俺らに見つけさせないようにするってことか.....
ヒマナツ
ヒマナツ
.....でも、そんな都合のいい事あるか?
ラン
ラン
っ.......魔王アイツならやりかねないよ...
レル
レル
まぁ、どれにせよ様子見やな.....!
ユウスケ
ユウスケ
そうやな.....なんか適当に言った所で何の根拠もあらへんしな
コサメ・アメノ
コサメ・アメノ
ほな、頑張るかぁ〜!
ショウ
ショウ
って.....そんなことより、俺ら任務やない!?
リウラ
リウラ
あ!確かに.....!
ラン
ラン
12時からですよね?今は.....
コッタロ
コッタロ
11時50分.........
ナイコ
ナイコ
.......気合いで行けば間に合う!
ホトケ
ホトケ
いや、無理あるでしょ?!
イフ
イフ
俺、武器部屋にあるんやけど.....
ミコト
ミコト
走っても間に合わんな.......
ユウ・キサラギ
ユウ・キサラギ
まず、走っちゃダメだよ?
ミコト
ミコト
おぇ?
ショウ
ショウ
ほら、行くで!!間に合わん!
クニ
クニ
なら、俺らも退散しようか!
レル
レル
そうやな!
スチ
スチ
それじゃあ、賽の皆さんは気を付けてくださいね!
ユウスケ
ユウスケ
ありがとな!行ってくるわ!
ホトケ
ホトケ
行ってきまーす!
タッタッタッタッタッタッ













コエ
コエ
それじゃ、自由時間.....で良いんだよね?
イルマ
イルマ
そうだな
ヒマナツ
ヒマナツ
はぁーなら俺は疲れたから部屋戻るぞ
クニ
クニ
俺はさっきの訓練の続きしに行く〜!
レル
レル
俺も行くで!
ミコト
ミコト
はーい!行ってらっしゃい〜!
ラン
ラン
じゃあ、俺も部屋にいるから何かあったら呼んでね〜
コサメ・アメノ
コサメ・アメノ
はいはーい!
ヒマナツ side
ヒマナツ
ヒマナツ
.......
今日は敵がいつも以上に多かった
その分魔力も大幅に消費した
ここんとこの魔物は少しばかり強くなった気がする
.....そして魔族も同じことが言える
さっきも6人がかりでさえ苦戦しまくってた
そんな俺が魔王なんかを倒せるのだろうか
時々そう思ってしまう
ヒマナツ
ヒマナツ
ねみぃ.......
そんな咄嗟に出た一言のすぐ後に戸を叩く音が聞こえた
イルマ
イルマ
コンコン
ナツ〜?いるか?
ヒマナツ
ヒマナツ
あぁ、いるぞー
イルマ
イルマ
入っても良いか?
ヒマナツ
ヒマナツ
ん、どーぞ
そうして入ってきたイルマの手には菓子があった
イルマ
イルマ
よっ、お疲れ〜ニコッ
ヒマナツ
ヒマナツ
お前もな
そう言って笑顔をこちらに向けたコイツは俺の幼なじみである
昔からずっと一緒で入団したのも同じだ
そんなイルマの前では何かと安心出来る俺がいる
小さい頃からあの笑顔を見るだけでどんな状況でも心が落ち着く気がした
俺がそんな事を心で思ってた中、イルマは手に持っていた菓子を並べ始めた
イルマ
イルマ
今日はクッキーと"ダ・カーポベリー"を持ってきたぞ
ヒマナツ
ヒマナツ
マジで?さっすが分かってる〜
ダ・カーポベリーとは今の時期旬のベリーだ
甘酸っぱい味で俺が好きな果物である
俺は堪えられず手を伸ばし、それを口に入れた
ヒマナツ
ヒマナツ
うぉ!うまっ!
イルマ
イルマ
だろ?ナツが好きって言ってたから買ってきたんだよ
ヒマナツ
ヒマナツ
!!.....
これを好きって言ったのはかなり前だ
そんな事も覚えているのかと俺は呆然とした
ヒマナツ
ヒマナツ
そんな事も覚えてるのかよ.....w
イルマ
イルマ
まぁな!やっぱり幼なじみだし?
ヒマナツ
ヒマナツ
.......あぁ、そうだな...(微笑)










俺らはただの子供では無かった
いわゆる"訳あり"だ
俺は子供の頃とんでもない絶望に陥った事がある


この人生を辞めてしまおう


そんな事を何度も思った記憶が未だ鮮明に流れる
でもそんな心の闇を少しづつ照らし、手を差し伸べてくれていたのは



































ヒマナツ
ヒマナツ
イルマ、お前だよ......

プリ小説オーディオドラマ