side 米澤
結局、朝起きても何変わっていなかった。
あの森の中で、俺たちの車両はずっといる。
『なぁ加藤さん、』
加藤「…どうしたの?」
昨日仲良くなった加藤さんに話しかけた。
え、まってやばい
何話すか決めてないねんけど!?
『あぁ!ごめん、何話すか決めてなかった…』
「はは、米ちゃんらしい笑」
家族の中では話し役の俺は、
特に理由はないけど誰かに話をしたい時があった。
誰かに声をかけて、喋りたかった。
別に話すこそなんてないねんけど。
なんていつもおかしな矛盾をしていた。
『はぁ~~…』
やっぱり暇。
あ〜家族が恋しい!!
俺は特に理由もなく自分のスマホを手に持って、ホーム画面を見た。
そしてアルバムを開く。
『………』
最新の動画を見た。
多分昨日撮ったやつや。
「……1日目です、とりあえず腹減りましたー。」
……笑
いつまで続くかわからんから毎日とろってなったやつやねん。
動画をよーく見ると、20秒くらいのところで
俺の後ろで変な動きをしている奴がおった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。