――こんな、こんなばかな私に、唯一優しくしてくれたのは、早苗だった。
優しく笑いかけてくれて、脅かしても嫌がらなくて、「びっくりしちゃいました」って笑ってくれる。
早苗を手に入れたい。
早苗を一番近くで見ていたい。
そのためには手段は問わない。
早苗と一番近くでいられる存在……それは、あいつ。洩矢諏訪子、とかいうやつ。
早苗に近づくためだから、と、私はそいつを殺して、死体を操った。
私の好感度を直で感じてほしいから、このシステムも作った。
私が“スワコ“でやった行動のせいで、嫌いになった?
私の行動が嫌いっていうこと……!?
うそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだ!!!!!!
ぷつりとシャットダウンされるような、そんな音がする。
死体に執念だけで取り憑いたから、だいぶ無理をしたみたいだ。
元の姿に、戻れないのかもしれない。
ふわふわとした空間に、私は浮いていた。
ただ早苗の横顔だけが、壁や床に映っている。
相変わらずキレイだな。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。