実家に着いてから
久しぶりの
畳の感触に感激しながら
ごろごろしていると、
もう外が暗くなっていた。
外が暗くなると
やっぱり影山さんを
思い出してしまう。
どうしてあんな表情をしたのか
ばぁちゃんが
ホワイトボードにそう書いて
わたしの顔の側に出した。
鋭い……
そして、出し方が
にゅーって感じで
かわいい……
ホワイトボードに
書いて渡すと、
ばぁちゃんは
すっと今日一番の素早さで
立ち上がり、
数日前影山さんが
作った紐と同じように
結んだ。
どういう意味なんだろう
そこ聞くのか……!!
ホワイトボードに
書いた文字が
あからさまに震えていて
笑ってしまった。
ばぁちゃんは
にっこり笑いながら
また、
いつかの遠くを眺めるような
なにかを慈しむような目で
言った。
わたしは
急いでスマホを見た。
LINE、ビデオ通話……
だめだめだめ。
ネットで新幹線を調べた。
30分後に乗れるのが1つある……
席を予約して、
歯を磨き、
櫛でボサボサの髪の毛を
ちょっとだけ整え、
薄手のジャンパーの
ポケットにスマホと財布、
2本の紐を突っ込み
ばぁちゃんに
それだけ伝え、
走って家を出た。
ばぁちゃん……
はぁい、て……
家を出てから
誰とすれ違ったか
覚えてない。
それくらい全力で走った。
たぶん
家を出る前に櫛で
髪の毛をといたけど
それも最早意味は無い。
最寄り駅に来た電車に
飛び乗り、
そこから数駅先の
大きな駅に到着。
そこから新幹線に
駆け込み
約3時間
新幹線に駆け込んでから
数分後ばぁちゃんから
メールがきた。
わたし、
影山さんに、
ものすごく
ひどいことしちゃった……
溢れそうになる涙を
ぐっとこらえながら
東京に着くのを待った。
先ほど
妹がものすごく焦った顔で
走っていった。
家に帰ってみると
ばぁちゃんは
なぜか
ものすごく嬉しそうだった。
孫が突然
家を飛び出して行ったのに、
その余裕……
どっから来るんだろう……
はぁあ?












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。