第54話

53,意味
575
2022/04/23 15:00 更新
実家に着いてから
久しぶりの
畳の感触に感激しながら
ごろごろしていると、

もう外が暗くなっていた。
外が暗くなると
やっぱり影山さんを
思い出してしまう。

どうしてあんな表情をしたのか
ばぁちゃん
あなたちゃん、
なんかあったやろ
ばぁちゃんが
ホワイトボードにそう書いて
わたしの顔の側に出した。
鋭い……
そして、出し方が
にゅーって感じで
かわいい……
あなた
二本の紐の両端に
二つ結び目を作って
人に渡すってどういう意味?
ホワイトボードに
書いて渡すと、
ばぁちゃんは
すっと今日一番の素早さで
立ち上がり、

数日前影山さんが
作った紐と同じように
結んだ。
どういう意味なんだろう
ばぁちゃん
誰からもらったん?
そこ聞くのか……!!
あなた
付き合ってる人
ホワイトボードに
書いた文字が

あからさまに震えていて
笑ってしまった。

ばぁちゃんは
にっこり笑いながら
また、
いつかの遠くを眺めるような
なにかを慈しむような目で
ばぁちゃん
_ _してくださいって意味。
言った。




わたしは
急いでスマホを見た。

LINE、ビデオ通話……
だめだめだめ。

ネットで新幹線を調べた。
30分後に乗れるのが1つある……
席を予約して、

歯を磨き、
櫛でボサボサの髪の毛を
ちょっとだけ整え、

薄手のジャンパーの
ポケットにスマホと財布、
2本の紐を突っ込み
あなた
ちょっと東京に戻る
ばぁちゃん
はぁい
ばぁちゃんに
それだけ伝え、

走って家を出た。

ばぁちゃん……
はぁい、て……





家を出てから
誰とすれ違ったか
覚えてない。

それくらい全力で走った。

たぶん
家を出る前に櫛で
髪の毛をといたけど
それも最早意味は無い。



最寄り駅に来た電車に
飛び乗り、

そこから数駅先の
大きな駅に到着。

そこから新幹線に
駆け込み

約3時間
新幹線に駆け込んでから
数分後ばぁちゃんから

メールがきた。
わたし、
影山さんに、
ものすごく
ひどいことしちゃった……
溢れそうになる涙を
ぐっとこらえながら
東京に着くのを待った。












先ほど
妹がものすごく焦った顔で
走っていった。
北信介
え、なん、あれ、
家に帰ってみると
ばぁちゃんは

なぜか
ものすごく嬉しそうだった。
孫が突然
家を飛び出して行ったのに、
その余裕……

どっから来るんだろう……
北信介
あなたは?
ばぁちゃん
あなたちゃん、
彼氏から
プロポーズされたんやって
北信介
……は?



はぁあ?

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