放課後の教室は、夕焼けの色に染まっていた
窓の外から差し込む橙色の光が、机の上をゆっくりと滑っていく
最後の授業が終わって、クラスメイトたちはとっくに帰った
廊下の足音も消え、静まり返った空間の中で、私はひとりプリントを整理していた
その聞き馴染みのある声に、手が止まる
振り向けば、教室の扉のところに私の後輩であるショッピくんが立っていた
いつもの無表情に見えるけれど、瞳の奥に何かが潜んでいる
淡い色の瞳が、まるで捕食者のように私を見つめていた
その言葉の響きが、妙に重たい
…あぁ、部活の相談で少し話しただけの男子だ
低く、静かな声
その言葉に、わずかに冷気が混じる
ショッピくんが近づいてくる
一歩、そのまた一歩。
机を隔てた距離がすぐになくなっていく
唐突に、指先が手首を掴んだ
細いけど力強い、逃げようとしても動かない
その瞳の中には、確かに狂気があった
けれど、それと同じくらい真っすぐな「好き」が滲んでいる
笑いながら言う彼の手が、私の頬に触れる
指先がやけに冷たい
けれどその温度が、逆に心を締めつけた
ショッピくんの声が囁くように響く
淡い息が頬をかすめた瞬間、体が動かなくなる
まるでその言葉に絡め取られたみたいに、
耳元で囁かれる
息を呑む音が教室に響いた
ショッピくんの指が、髪を撫でる
優しく、けれど逃がさないように
笑った彼の声が、甘く滲んだ
その瞬間、彼の腕が私を抱き寄せた
細い体のくせに、拒めないほど強い
即答だった
夕陽が完全に沈み、教室の中は暗くなる
そんな中で、ショッピくんの瞳だけが淡く光っていた
頬に唇が触れた
優しいのに、どこかで「所有」の印を刻むみたいなキスだった
彼の腕の中で息が詰まりそうになる
なのに_____
その奥に、ほんの少しだけ温もりを感じてしまう自分が怖かった
淡々と、でも確実に狂っていくような声で
ショッピくんは私を抱いたまま、微笑んだ
教室の時計が、静かに秒を刻む
外の風がカーテンを揺らし、窓ガラスがわずかに軋む音がする
それでも_____
この密室の中では、世界に二人きりしかいなかった
少し挑発するように聞くと、彼は一瞬笑ってから、
まるで祈るような目で見つめ返してきた
背筋が、ぞくりとした
それは「愛」という名の呪いのようで_____
けれど、どこか甘美でもあった。
彼の腕が、もう一度強く締めつける
そのまま耳元で囁かれた
______もう逃げられない
そう悟った瞬間、胸の奥で何かが静かに崩れた
夕焼けが完全に消えた教室で、ショッピくんの瞳だけ
が、真っすぐに私を閉じ込めていた
次回 ⇢ 👒˖ ࣪⊹












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。