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第18話

〜花びらが十五枚〜
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2021/04/06 07:27 更新


昔話をしようか。


俺はそう呟いた。

















この学校の桜にまつわる噂は知ってるよね。

実はその噂、事実なんだ。



ざわざわと桜の葉が騒ぎ始める。



遠い昔、忌み子が小さな村に産まれた。

額から突起が生えており、鬼の子だとも言われた。

その村には言い伝えがあった。

村の真ん中にある桜の木の下に死体を埋めると、魂が浄化され、安らかに天に昇れる。

もちろんそんな綺麗なものではなかったけど、ずっとそれを信じ、親族の為に桜の下に埋めてきた。

村の人達は忌み子を恐れて、桜の下に生き埋めにした。

忌み子は悶え、苦しみながら、そして恨みながら死んでいった。







村は呪われたように雨しか降らなくなった。

いつまでも続く雨は村の畑の作物を根絶やしにし、洪水によって到底人の住める場所ではなくなってしまった。

村の人達は忌み子の呪いだとまたも恐れ、生贄を差し出した。

その者の名は桜雨桜時さくらおとといった。

生贄を出してから5年は何事もなく過ごせていた。

6年目の春。
まだ寒さも残る頃。
桜が咲き始めた。

ある親子は綺麗だと笑い、ある老夫婦は今年も見れたと喜んだ。

桜が満開になった頃、雨が降り始めた。

早めの梅雨かと思えば、何日経っても止む気配はない。

また呪いが再来したと村人は騒ぎ立てた。

生贄を差し出しても雨は止まなかった。

どうして。
足りないのか。
法則性は。

法則性はあった。

村人がそれに気づくのには沢山の時間と、生贄を費やした。

生贄にされた者達の怨念は溜まっていき、しとしとと降っていた雨は豪雨となって村を襲った。

やっとの事で雨を止ませた生贄には名前に「桜」に関する字が入っていた。



「桜」



忌み子は最も怨んだ物。

言い伝えさえなければ、私は死にはしなかった。

桜さえなければ、私は生き埋めになどされなかった。

桜があるから私は死ぬ。

桜のせいで私が死ぬ。


桜を名に刻んだ者は桜に縛られる。































櫻葉心と名乗った彼女は今にも消えそうな笑顔で話しかけてきた。

次の春には、本当に消えてしまった。

代わりに勝手に俺に思いを託して。

思いなんて綺麗なもんじゃないか。

生贄を俺にして、彼女は天に昇っていった。

生贄を託された俺は桜の下から動けなくなった。

俺の死体が、桜の木の下に埋まっているから。










あなた
それが4年前の話だよ。









俺は笑ってそう言った。


後ろにある桜が慰めるように静かに葉を鳴らした。

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作者より🌸

長期間お休みしてしまい本当にすみません!!
この度、続きを投稿させていただきました!

コメントありがとうございます。
励みになりました。
お気に入り登録もして頂いておりまして…。
幸せです。

待ってくれていた方、本当にありがとうございます。涙がこぼれてしまいそうです。

今年から受験生になりました。
勉強に追われる日々となっていきますが、できる限り更新できるよう、精進して参ります。

最終回が近そうです。
また次回、お会いしましょう。

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