第3話

ファイルⅠ N-I
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2026/01/26 12:00 更新
_芽結@めい_
芽結めい
異能も努力でどうにかなれば良かったのにな…
芽結のそんな呟きが聞こえる。
誰よりも優秀でいるために生まれつきの才能だけじゃ物足りず、努力も重ねてきた人だ。
その様子を俺は、俺達はずっとそばで見てきた。
だからこそここでの挫折は夢結にとって辛いものだと思う。
何も言うことができずにいると自由時間、夢結にとっては地獄の訓練の時間の終わりを告げる救いのチャイムが鳴り響いた。
施設の外にいるのがバレるとここの職員(俺達は先生と呼ぶルールだが)に怒られてしまう。
異能も発動していない俺なんかは特に。
_芽結@めい_
芽結めい
戻ろ、直樹
苦しさを、悲しみを隠すような自傷気味の笑顔。
ずっと同じ場所で暮らしているのにそれでバレないと思われているのだろうか。
いや、芽結は慎重で自分の本音は絶対に外に漏らさない。
これはきっと無意識なのだろう。
_直樹@なおき_
直樹なおき
_直樹@なおき_
直樹なおき
そうだな
だとしたら俺が言ってやれることは何もない。
これ以上負担をかけさせるわけにもいかない。
俺の力じゃ芽結を救うことなんて夢のまた夢なのだから。
_紅音@あかね_
紅音あかね
で、私達にそれを言って何になるの?
_流音@るおん_
流音るおん
せっかく先生のいないタイミング見計らってるんだから簡潔に
そう、俺の力じゃ芽結を救うことは不可能だ。
それでも芽結には人望がある。
彼女自身が積み上げてきた実績によって得た心強い仲間がいる。
_直樹@なおき_
直樹なおき
説得なら2人の得意分野だろ?
_直樹@なおき_
直樹なおき
それにパッションでゴリ押すには紅音と流音が最適
誰よりも口論で強い紅音と流音が協力してくれるなら百人力、先生達にだって負けることはない。
_直樹@なおき_
直樹なおき
(本当は異能が出てから脅したかったけど…)
生憎、芽結が今現在この施設に残ることができているのは一応確認されている「異能の存在」のおかげ。
そして今までの彼女の実績からまだ利用価値があると思われているのが大きいだろう。
同年代の中でも劣るようになってきてからではいつ見捨てられてもおかしくはない。
芽結の次に誕生日が来るのは紗里奈。
しかし2週間も差ができてしまう。
そこで強い異能が出るという確証もなければ、それまでに芽結がここに残っていられるという確証もない。
今協力を仰いでいる2人や俺なんかは誕生日がもっと遅いから尚更だ。
だったら異能で脅すよりも2人にパッションでゴリ押してもらう方がいいと踏んだわけだ。
_紅音@あかね_
紅音あかね
…直樹ってさ、冷静に見えて意外と脳筋だよね
_紅音@あかね_
紅音あかね
ま、芽結がいなくなるのは私も嫌だから協力するよ
_流音@るおん_
流音るおん
俺も、幼馴染の頼みを断るほど非人道的じゃないから
_直樹@なおき_
直樹なおき
そんなこと言ったらこの施設の人全員幼馴染やん
流音の軽口でようやく緊張がほぐれてきた気がする。
_紅音@あかね_
紅音あかね
ちなみに作戦決行は明日でいい?
_直樹@なおき_
直樹なおき
早い方がいいし助かる
_流音@るおん_
流音るおん
よし紅音、作戦練ろう
_紅音@あかね_
紅音あかね
もちろん、絶対勝ってやる
そうやって議論の対策を練る2人は最高に頼もしい。
最高の仲間達を持ったな、なんて2人の後ろ姿を見ながらあらためて実感した。

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