第20話

狂信者
972
2025/04/02 00:12 更新


楡井を引っ張って避けた窓際には、

気付けば蘇芳も居た。


蘇芳隼飛
いいねいいね〜バチバチだね〜!
楡井秋彦
(  何が良いんだろう……?!  )
(なまえ)
あなた
(  いや、絶対に良くない展開だよこれ…  )
蘇芳隼飛
でも桜くん、杉下くんの前で『てっぺんをとる』は、マズかったよ


その言葉を皮切りに、蘇芳はあまり

事情を知らない桜や俺に

聞こえるように語り始めた。


桜遥
こんにゃろ……!



ただ、その合間も二人のケンカは続いて行く。


蘇芳隼飛
杉下くんは、中学生時代からここに出入りしていて、その情熱と才能を認められ、唯一高校入学前から『ボウフウリン』を名乗ることを許された存在
蘇芳隼飛
そして……はたから見れば少し行き過ぎた、テッペンへの『狂信者』…
(なまえ)
あなた
(  『狂信者』………  )
蘇芳隼飛
それを取ると言われれば…ね
杏西雅紀
煽ってねーで止めてやれよ‼︎
蘇芳隼飛
えー、君がやれば?
杏西雅紀
俺たちにはムリだ!早く止めてやんねーとあの余所者よそもの、殺されちまうぞ!


そう言った瞬間、桜がスッと後ろに

転ぶように体制を崩した。


楡井秋彦
ヒェッ
(なまえ)
あなた
(  あれじゃ攻撃されちまう…⁉︎  )


そう思った時には、もう行動は起こっていた。

桜がブリッジをするかのような体制で

そのままの流れで床に手をつき、

そして足を振り上げ杉下に

当ててからくるっと元に戻った。


桜遥
残念空振り!
(なまえ)
あなた
(  どんな応用力の高さと体の柔らかさしてんだよ……!  )


お陰で杉下はグロテスクな感じに

なりながらも鼻血を拭っている。


桜遥
『狂信者』ね…要は自分じゃ何も考えられない、一人じゃ何も決められないつてことだろ?
桜遥
そんなヤツに、オレがやれるかよ


そう言って桜は乱れた制服を少し整えた。


再開と言わんばかりに二人して

殴り掛かろうとしたその瞬間、スピーカー

から陽気な声がした。


梅宮一
あーあー
梅宮一
あいうえおーいうえおーういえおーいー


突然聞こえてきた声に楡井は

キョロキョロと辺りを見渡し、

様子を過度なまでに伺い、

蘇芳や他の奴らは少しびっくりと

したような、ハッとしたような顔をしている。


梅宮一
うーんと?何処押せば良いんだ?
えっもう声入ってんの⁉︎
柊登馬
言ったろ!!


そして、少しスウッと息を吸うような音が聞こえたと思った次の瞬間


梅宮一
諸君!入学おめでとー!!(クソデカボイス)


(なまえ)
あなた
ぅおッッ⁉︎
蘇芳隼飛
(  めっちゃ驚いてる……  )
蘇芳隼飛
ふふっ……


め、めっちゃびっくりして声が出てしまった………

そして、放送ではその後も普通の

会話が入ってしまっている。


柊登馬
馬ッ鹿声デケェんだよ!普通でいんだよ!
梅宮一
え?だって最初の挨拶だしー
柊登馬
ただでさえ地声がデケェのに学校の外からも苦情くるぞ!


桜遥
(  なんだよいいところなのに邪魔しやがって…なんだよコイツら  )
桜遥
おらぁ!続きやんぞ!


良い加減桜の堪忍袋の糸が切れそうだな

と思った時、杉下を始めあの蘇芳でさえ

真面目に話を聞く態度になっている。


(なまえ)
あなた
(  ………空気が変わった  )

梅宮一
んじゃーまあ、気を取り直して…
梅宮一
『ボウフウリン総代』梅宮一だ。
(なまえ)
あなた
(  …!  )
(なまえ)
あなた
(  コイツが依頼人から書かれていた……  )


梅宮一
うーん……ごめん!言うこと忘れちゃった!


ボウフウリン総代……一体どんな

ことを言うのだろう、そう身構えていた

自分含め周りは、その言葉で

一気に毒気を抜かれたか

のような気持ちになっただろう。


梅宮一
あ、そうだお前ら!青春しろよー!青春!
(なまえ)
あなた
(  青春…か  )


自分とは無縁過ぎて実に笑えてくる。


梅宮一
あーまあこれだけ人数が居れば気の合わないヤツもいるだろうがなー
梅宮一
んま、流石に初日から殴り合いのケンカはしてないだろうけどなッ!


そんな総代の言葉を受けて、その場に

いる全員が桜と杉下を見た。


杉下は否定するように鼻血を拭っているし、

桜は相手からだと否定している。


蘇芳隼飛
杉下くん、いくら鼻血が取れたとしてもケンカしてたのはみんな見てるからね?
(なまえ)
あなた
はは……


だが、そんな雰囲気も一瞬で終わった。


梅宮一
お前ら、街を守れ
梅宮一
俺たちが貰った名前は『ボウフウリン』だ。その名に違わず、街を守れ
全員
おす‼︎‼︎
(なまえ)
あなた
………!


その場に居たほぼ全員がそう叫ぶ。

俺と桜のような余所者は、その行為に

驚きを隠さないでいる。


そうして総代からの話が終わると、

二人が仲直りの握手をしたりでわちゃわちゃと

雰囲気が柔らかくなり始めた。


榎本健史
お前らぁ!外行くぞぉ、外!
(なまえ)
あなた
(  巻き舌えげつねぇなコイツ⁉︎  )


なんか巻き舌がえげつねぇ先輩に呼ばれて

外に行くことになりました()

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