___キッカケは、本当に些細なことだった。
進級と同時に「雄英高校ヒーロー科2年A組」へ転入した私は、兄の範太と共に、東京の実家へ帰省をしていた。
"全面戦争が終結し、落ち着いたから"というのも理由の一つだが、公安の任務や連合のアレコレで忙しく、年越しに帰省できなかったのが最も大きな理由だ。
数ヶ月前に作り替えたばかりの実家は、住んでいた頃とは違った雰囲気で中々慣れない。
それでも、大切な家族とひとつ屋根の下だと、やっぱり安心するみたいだ。
夕食後のデザートのつもりなのか、範太は口いっぱいにアイスを頬張ってモゴモゴしている
『風呂上がりに食べた方が美味しいのに』と言おうとしたが、既に食べ始めている彼に言うのは無駄だと気付いたのでやめておいた←
ガラガラガラッ
ガサゴソと奥を探っても、
冷蔵庫や野菜庫の方を覗いて見ても、
私が求めていた物は何処にも無い。
箱に1本残っていたハズの抹茶アイスは、忽然と姿を眩ませていた。
ふと悪い予感が頭をよぎる。
”箱から”
”抹茶”
予感は見事に的中、最低な気分だ
''風呂上がりのアイス''という極上の楽しみを奪うなんて非人道的極まりない。
兄妹揃って抹茶味のアイスを好んでいることをここまで恨む日が来るとは思いもしなかった…
___今思えば、本当に些細なことだ。
でも、当時の私は 知らなかった
”いつもの日常”が変わってしまうことが、あんなにも辛いことだったとは___。
「「こんなクソ兄貴/バカ妹なんて御免だ」」
瀬呂兄妹の絶交生活 𝘴𝘵𝘢𝘳𝘵

また、明日に公開される予定の「バカ妹と絶交」は、この話でいう翌日の出来事の瀬呂視点となっております!
(二人の視点を交互に繰り返していくスタイルです)












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!