kry side
急いでる時こそ、信号に引っかかる。
さっきから何度もトーク画面を確認しているけど、何も返信はない。
ほんとに何が起きたの?
無事でいてくれ。
ガチャッ
急いで玄関のドアを開け、無事でいてくれと願いながらリビングへ走る。
でも、リビングへ入った瞬間にそんな願いは
砕かれ、崩れていった。
床には倒れ込んでいる鈴木ちゃん。
急いで駆け寄り、軽く揺する。
どれだけ呼びかけても返事はこない。
一気に不安が押し寄せてくる。
このまま目を覚まさなかったら?
消えてしまったら?
もう二度と会えなくなってしまったら?
そんな不安に震える手で、119の文字を打つ。
その声は酷く震えていて、自分でもちゃんと会話出来ているのか、何を言っているのかは分からなかった。
何分かして到着した救急車に同乗し、病院へ向かう。
何度も頭が真っ白になって、呼吸を忘れて、
ただただ時間が過ぎていった。
お医者さんに呼ばれる。
声にならない喜びと、涙が込み上げてくる。
良かった、ほんとうに。
その言葉を聞いて、背筋に嫌な感覚が走る。
お医者さんに案内された部屋へと入る。
あぁ、今1番聞きたくなかったこと。
わかってはいたけど、それでもいざ言葉にされると、
それはとても重いものだった。
鈴木ちゃんは、どこか無理をしていたのかな。
それとも本人も知らないくらい急だったのかな。
そこから少しの間、お医者さんからの説明を受けたけど、
正直何も頭に入ってこなかった。
先は長くない
その言葉が何度も頭の中で繰り返される。
その度に頭が真っ白になる。
何も働かない頭でお医者さんの後を追う。
案内された場所は個室だった。
コンコンコン、
軽くノックする。
返事はない。
震える手で扉を開ける。
少し足を進めると、眠っている鈴木ちゃん。
色々なものに繋がれていて、電子音だけが響く。
それでも、その音が生きていることの証明で嬉しかった。
そっと髪を撫でる。
お医者さんの説明によれば、もうすぐで目は覚ますだろうとのこと。
早く起きてよ。
そう思っていると、鈴木ちゃんの指が動いた気がした。
閉じられていた瞼がゆっくりと開かれていく。
良かった。
生きてる。
今はそれだけで胸がいっぱいだった。
期間空いちゃってごめんなさい!テスト期間でした
テストふたつの意味でおわった😶












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!