『 … よし 。 』
鏡の前で深呼吸 。
ドラマ撮影二日目 。
昨日の撮影で初めてコンタクトを付けた俺は 、
意外と慣れてきていた 。
『 今日は付けるのも早くできた 、!!! 』
メガネケースをバッグへしまい 、
事務所へ向かう 。
『 おっはよーございまーす 、!!! 』
楽屋のドアを勢いよく開ける 。
すると 。
「 … 。 」
『 … 。 』
「 … 。 」
まただ 。
昨日と同じ 。
全員 、時止まってる 。
『 … え 、?? また 、?? 』
俺が笑うと 、TETTA が頭を抱えた 。
TETTA 「 だからダメだって … 。 」
TETTA 「 昨日言ったじゃん 、笑 」
『 … 何が 、?? 』
HAYATOがゆっくり近付いてくる 。
HAYATO 「 コンタクト 。 」
『 … うん 、?? 』
HAYATO 「 外して 。 」
『 … え 、?? 』
HAYATO 「 今すぐ 。 」
『 … いや 、なんで 、!!? 』
『 撮影あるから無理だよ 、 』
HAYATO 「 まだ時間ある 。 」
『 あるけど 。 』
HAYATO 「 メガネにしよ 。 」
『 しないよ 、!!! 』
HAYATOは真剣そのもの 。
そこへEIKUまで参戦 。
EIKU 「 あなたの下の名前 。 」
『 ん 、?? 』
EIKU 「 今日エレベーター乗った 、?? 」
『 乗った 。 』
EIKU 「 女の人いた 、?? 」
『 そりゃ 、スタッフさんいたよ 、?? 』
EIKU 「 … 。 」
『 … 。 』
EIKU 「 終わった 。 」
『 だから何が 、!!! 』
REIがソファに倒れ込む 。
REI 「 見られた 。 」
『 そりゃ見られるでしょ 、!!! 』
REI 「 やだ 。ダメ 。 」
『 いや普通だから 、!!! 」
NAOYAがスマホを見せてきた 。
NAOYA 「 ほら 。 」
そこには ONE N' ONLYの担当スタッフの
チャット 。
[ 今日のあなたの下の名前くん 、
雰囲気違ってびっくり !! かっこいい !! ]
「 … 。 」
『 … 。 』
NAOYA 「 ほら 。 」
『 ほらじゃないよ !!! 』
『 別に大丈夫だって 、!!! 』
そう言うと 、5人が同時に首を横に振る 。
TETTA 「 良くない 。 」
NAOYA 「 全然良くない 。 」
『 なんで !!! 』
TETTAが真顔で言う 。
TETTA 「 自覚ない 、?? 」
『 … 何の 、?? 』
TETTA 「 その顔 。 」
『 …… 、?? 』
TETTA 「 破壊力 。 」
『 知らないよ 、!!! 』
その時 。
コンコン 。
スタッフ 「 失礼しまーす 。 」
女性スタッフさんが入ってきた 。
スタッフ「 あなたの下の名前さんっ 、!!! 」
『 はい 。 』
スタッフ 「 今日もコンタクトなんだね 、!! 笑 」
『 そうなんです !! 』
スタッフ 「 すごく似合って── 」
『 ありがとうございます !!! 』
そこまでは普通だった 。
スタッフ 「 ドキッとしちゃいました 、!! 」
『 …… ン 、?? 』
その一言で 。
ガタガタッ 。
5人全員が立ち上がる 。
スタッフさんがびくっと肩を震わせた 。
『 … え 、?? 』
HAYATOは営業スマイルのまま 。
HAYATO 「 ありがとうございます 。 」
にこっ 。
でも目が笑ってない 。
HAYATO「 今日からやっぱり
メガネに戻します 。 」
『 … ハイ 、?? 』
HAYATO 「 本人もそう言ってました 。 」
『 言ってない !!! 』
スタッフさんが出ていくと 。
バタン 。
静寂 。
HAYATO 「 … あなたの下の名前 。 」
HAYATOが手を出した 。
『 … 何 、?? 』
HAYATO 「 ケース 。 」
『 … ぇ 、?? 』
HAYATO 「 コンタクト 。 」
『 … はい 、?? 』
HAYATO 「 没収 。 」
『 … いやいやいや 、!!!! 』
俺は慌ててバッグを抱える 。
『 絶対ダメ 、!!! 』
『 返して 、!!! >< 』
HAYATO 「 イヤ 。 」
『 なんで !!! 』
するとEIKUが笑顔で一言 。
EIKU 「 逃げる 、?? 笑 」
『 … っえ 、?? 』
EIKU 「 逃げるなら追いかけるけど 。 」
『 怖い怖い怖い 、!!! 』
その瞬間 。
俺はバッグを抱えて楽屋を飛び出した 。
EIKU 「 待てーー 、!!! 」
REI 「 あなたの下の名前ー 、!!! 」
HAYATO「 捕まえろ ~ !!! 笑 」
NAOYA 「 エレベーター 、!!! 」
TETTA 「 階段だ 、!!! 」
廊下を全力疾走する俺 。
その後ろを 、本気で追いかけてくる
ONE N' ONLY 。
すれ違うスタッフはみんな二度見 。
スタッフ 「 え 、?? 何ごと 、?? 」
スタッフ 「 また始まった … 。 笑 」
スタッフ 「 今日は鬼ごっこか 。 」
『 違いますー 、!!!! >< 』
叫びながら角を曲がった 、その時 。
ドンッ 。
『 っあ 、ごめんなさい 、!!! 』
誰かとぶつかってしまった 。
顔を上げると――
タクヤ 「 何事 、?? 大丈夫 、?? 笑 」
そこに立っていたのは 、
大先輩 、超特急のタクヤくんだった 。
そして 、その様子を見た 5人の表情が 、
一瞬で固まる 。
「 … 。 」
『 … 。 』
HAYATO 「 … これは 。 笑 」
HAYATOがぽつりと呟く 。
NAOYA 「 一番見られちゃ
ダメな人に見られた 。 」
タクヤ 「 … ぇ 、この子 あなたの下の名前 ?? 」
コンタクト大騒動は 、
ここ5年は終わりそうにない 。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。