第3話

 そ の コ ン タ ク ト 、没 収 し ま す 
212
2026/08/02 23:00 更新







    『 … よし 。 』




   鏡の前で深呼吸 。

   ドラマ撮影二日目 。



   昨日の撮影で初めてコンタクトを付けた俺は 、
  
   意外と慣れてきていた 。




    『 今日は付けるのも早くできた 、!!! 』


 
   メガネケースをバッグへしまい 、

   事務所へ向かう 。


 
     『 おっはよーございまーす 、!!! 』




   楽屋のドアを勢いよく開ける 。

   すると 。


    「 … 。 」

    『 … 。 』

    「 … 。 」


   まただ 。

   昨日と同じ 。

   全員 、時止まってる 。



    『 … え 、?? また 、?? 』



   俺が笑うと 、TETTA が頭を抱えた 。


      
    TETTA 「 だからダメだって … 。 」

    TETTA 「 昨日言ったじゃん 、 」


    『 … 何が 、?? 』



   HAYATOがゆっくり近付いてくる 。


    
    HAYATO 「 コンタクト 。 」


    『 … うん 、?? 』


    HAYATO 「 外して 。 」


    『 … え 、?? 』


    HAYATO 「 今すぐ 。 」
 

    『 … いや 、なんで 、!!? 』

    『 撮影あるから無理だよ 、 』



    HAYATO 「 まだ時間ある 。 」


    『 あるけど 。 』


    HAYATO 「 メガネにしよ 。 」


    『 しないよ 、!!! 』



   HAYATOは真剣そのもの 。

   そこへEIKUまで参戦 。


  
    EIKU 「 あなたの下の名前 。 」


    『 ん 、?? 』  


    EIKU 「 今日エレベーター乗った 、?? 」


    『 乗った 。 』


    EIKU 「 女の人いた 、?? 」


    『 そりゃ 、スタッフさんいたよ 、?? 』


    EIKU 「 … 。 」


    『 … 。 』


    EIKU 「 終わった 。 」


    『 だから何が 、!!! 』

 

   REIがソファに倒れ込む 。


   
    REI 「 見られた 。 」


    『 そりゃ見られるでしょ 、!!! 』


    REI 「 やだ 。ダメ 。 」


    『 いや普通だから 、!!! 」




   NAOYAがスマホを見せてきた 。



    NAOYA 「 ほら 。 」



   そこには ONE N' ONLYの担当スタッフの

   チャット 。  



    [ 今日のあなたの下の名前くん 、

      雰囲気違ってびっくり !! かっこいい !! ]


    「 … 。 」

    『 … 。 』


    NAOYA 「 ほら 。 」


    『 ほらじゃないよ !!! 』

    『 別に大丈夫だって 、!!! 』



   そう言うと 、5人が同時に首を横に振る 。


    TETTA 「 良くない 。 」

   
    NAOYA 「 全然良くない 。 」


    『 なんで !!! 』




   TETTAが真顔で言う 。

  

    TETTA 「 自覚ない 、?? 」

   
    『 … 何の 、?? 』


    TETTA 「 その顔 。 」


    『 …… 、?? 』


    TETTA 「 破壊力 。 」


    『 知らないよ 、!!! 』


  

   その時 。

   コンコン 。



    スタッフ 「 失礼しまーす 。 」


   女性スタッフさんが入ってきた 。



    スタッフ「 あなたの下の名前さんっ 、!!! 」


    『 はい 。 』


    スタッフ 「 今日もコンタクトなんだね 、!!  」


    『 そうなんです !! 』



    スタッフ 「 すごく似合って── 」


    『 ありがとうございます !!! 』



   そこまでは普通だった 。



    スタッフ 「 ドキッとしちゃいました 、!! 」



    『 …… ン 、?? 』



   その一言で 。

   ガタガタッ 。


   5人全員が立ち上がる 。

   スタッフさんがびくっと肩を震わせた 。



    『 … え 、?? 』



   HAYATOは営業スマイルのまま 。



    HAYATO 「 ありがとうございます 。 」



   にこっ 。

   でも目が笑ってない 。



    HAYATO「 今日からやっぱり
 
               メガネに戻します 。 」


    『 … ハイ 、?? 』



    HAYATO 「 本人もそう言ってました 。 」


    『 言ってない !!! 』




  


   スタッフさんが出ていくと 。

   バタン 。

   静寂 。


  
    HAYATO 「 … あなたの下の名前 。 」



   HAYATOが手を出した 。


    『 … 何 、?? 』


    HAYATO 「 ケース 。 」


    『 … ぇ 、?? 』


    HAYATO 「 コンタクト 。 」


    『 … はい 、?? 』


    HAYATO 「 没収 。 」


    『 … いやいやいや 、!!!! 』



   俺は慌ててバッグを抱える 。



    『 絶対ダメ 、!!! 』

    『 返して 、!!! >< 』


    HAYATO 「 イヤ 。 」


    『 なんで !!! 』



   するとEIKUが笑顔で一言 。 



    EIKU 「 逃げる 、??  」


    『 … っえ 、?? 』


    EIKU 「 逃げるなら追いかけるけど 。 」


    『 怖い怖い怖い 、!!! 』



   その瞬間 。

   俺はバッグを抱えて楽屋を飛び出した 。




    EIKU 「 待てーー 、!!! 」


    REI 「 あなたの下の名前ー 、!!! 」


    HAYATO「 捕まえろ ~ !!!  」


    NAOYA 「 エレベーター 、!!! 」


    TETTA 「 階段だ 、!!! 」




   廊下を全力疾走する俺 。

   その後ろを 、本気で追いかけてくる

   ONE N' ONLY 。



   すれ違うスタッフはみんな二度見 。




    スタッフ 「 え 、?? 何ごと 、?? 」


    スタッフ 「 また始まった … 。  」


    スタッフ 「 今日は鬼ごっこか 。 」


    『 違いますー 、!!!! >< 』




   叫びながら角を曲がった 、その時 。

   ドンッ 。



    『 っあ 、ごめんなさい 、!!! 』



   誰かとぶつかってしまった 。

   顔を上げると――




    タクヤ 「 何事 、?? 大丈夫 、??  」



   そこに立っていたのは 、

   大先輩 、超特急のタクヤくんだった 。



   そして 、その様子を見た 5人の表情が 、

   一瞬で固まる 。


    
    「 … 。 」


    『 … 。 』


    HAYATO 「 … これは 。  」



   HAYATOがぽつりと呟く 。


    NAOYA 「 一番見られちゃ
 
             ダメな人に見られた 。 」


    タクヤ 「 … ぇ 、この子 あなたの下の名前 ?? 」





   


   コンタクト大騒動は 、

   ここ5年は終わりそうにない 。









プリ小説オーディオドラマ