第19話

#9-4
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2021/08/19 12:16
「本日は人気声優だけの夏祭り!ということで
声優好きのあなたさん!
本日のメンバーはいかがですか?!」


あなた「やばくないですか?
私Trignalと同じ空気吸ってるんですよね?!」


黒いスカートをふわふわとさせながら
その場で軽く回ってる


良平「そんなん何度目よw」

江口「いひひ、あなたさん元気ですね」



そんなんじゃないよ

だってさっきまで、俺にしがみついて寝てたのに

歩くのだって大変そうだったのに...


代永「あなたちゃん久しぶりだね」

あなた「ママ久しぶり」

代永「久しぶり!」



和気あいあいと話しているあなたの足は





震えてる


















なんとか持ちこたえ、後半戦


あなたはマイクには入らないけど
隣には伝わるくらい、息が荒い



夏だからか、
ライトのあかりのせいで余計に暑い


あなた「ハァ、ハァ...」



目線が少し下に落ちてた

そろそろはけさせないと...






と、思った時

客席から「キャッ」と声がした


あなたから目線を客席に移すと


1番前の席の女性が座り込んでいた

「だ、大丈夫ですか?」


そんな事を隣の人が言っていた


俺は今ステージ上
スタッフさん、早く来てあげて


と、裏方に目線を向けるも
誰も気づかない


焦ってる俺の横を黒いスカートがなびいた






ハッとして、客席を見ると


あなた「大丈夫?水飲みな、口つけてないから」


あなたが座り込んでいた座り込んだ女性に
話しかけていた



...弱いよな、俺は

彼女は体調が悪いのに


俺より年下の女の子が

動いてるのに



ここで、年長者の俺は何も出来てない



横目でチラッと見ると

同業者のみんなは驚いていた





『...』

俺は裏方に向かう

後ろから


真礼「え、浅沼さん?!」


って聞こえたけど



俺にも、カッコつけさせて








『大丈夫?タオル貰ってきたから』


あなたの隣に行き、
スタッフから貰ったタオルを渡す


「ありがとうございます...
立てます...」

あなた「無理しないでね」




無理しないでね...か



お前がだろ



俺は、ほぼ何も出来なかった自分に



舌打ちをした

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