出勤時間少し前に探偵社の扉を開ける。
私の隣のデスク_太宰さんのデスクに太宰治本人が座っていた。
普段太宰さんは遅刻しかしないのに出勤時間より早くいるのはとても珍しい。
挨拶をしてみる。
少しの沈黙。ようやく口を開いたかと思えば、
後ろの扉が開き、谷崎兄妹が入ってくる。
続々と探偵社員がやってきて、業務を始める。
少し時間が経って後、不意に後ろから声をかけられた。
かけていた眼鏡を外し少し嫌な予感をしながら、後ろに振り返る。
嫌な予感が的中した。最悪だ。
太宰さんとなんて、嫌われてる相手に対して好感を持てるわけないじゃないか…
太宰さんはわざとらしく大きなため息をつく。
はいはい、と投げやりに太宰さんはこちらを向き心の底から嫌な顔をした。
苗字呼び…
太宰さんは後輩に対しては大体下の名前で呼んでいる。
私は太宰さんの後輩だ。
苗字で呼ばれているのは距離をとっているんだろう。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。