第59話

morning call 【洋平】
729
2023/02/24 22:29 更新
※電話でのやり取りなので普段の小説の書き方とちょびっとだけ違います。
※時代風景は90年代。
※短め。





あなたside




早朝、目が覚めた。時刻は5時半。今日は土曜日だから特に予定がなくて寝る気にもなれなかった。そしてウォークマンを手に取りイヤホンをつける。




なのに雑音が入って聴くに堪えなくなりイヤホンを外して一つ溜め息を溢した。雑音が入るとテープ終了のお知らせみたいなもの。だからまた新しいテープにダビングしなければならない。擦りきるとハッキリ言ってめんどくさい。




なにしようか頭の中で考えてると部屋の脇にある電話機に目を付けた。洋平…起きてるかな。無意識のうちに指は洋平の電話番号を打っている。もう止まることはないくらいに早く打っている。いつもこの瞬間はドキドキして堪らない。




受話器がプルルルルとコールの音が聞こえ始めた。バクバクなってる鼓動をどうにか納めるように深呼吸をして洋平が出るのを待ってた。




思ったよりも早くガチャと音がなり肩がピクリと跳ねる。
水戸洋平
……もしもし…

洋平の寝起きの声が聞こえ、謎に特別感が湧いた。いつもは落ち着きのある声しているけど寝起きは小さな子どもみたいな声にも聞こえた。




『おはよーございまーす』




朝だから普段のテンションより下げて声に出した。
水戸洋平
…やっぱあなただと思った。もしくは花道。
おはよ。

『ごめんね、朝っぱらから。目が覚めちゃって。』
水戸洋平
…ふっ……おかしなやつ

布団のガサガサって音が妙に身体を熱くさせる。




洋平は、ん~と言って伸びをしていたりと朝にしか聞けない生活音が聞けて余計にドキドキさせるようだった。
水戸洋平
お嬢様からのモーニングコールか

『お、お嬢様って…。まっ、とにかく……うん、そう、モーニングコールみたいなものかな。はは』
水戸洋平
モーニングコール以外だったら他に何があるんだよ

『ま、確かにそうかもしれないけど。あ、ねね、見て。空の色。めっちゃ綺麗だよ。』




カーテンの隙間からまだ弱いけど小さな光が入り込んでいる。手でカーテンを退けて見るとオレンジっぽくなっていた。
水戸洋平
ホントだ。綺麗だな。

今私と洋平が2人して同じ時間帯で空を見てるのがなんかくすぐったくて顔が自然に綻んだ。




そして洋平から
水戸洋平
なぁ。なんかあったのか?

と真剣な声で聞いてきたのだ。徐々に声が普段の声に戻ってきて残念に思いながらも、嬉しさも感じて我ながら自分勝手だなと潮笑いたくなる。




『いや…なんか冬の朝って妙に寂しくなって。』
水戸洋平
ふ~ん。そっか。
ま、なんかあったっていう訳じゃないのね。

『うん。ごめん。でもなんか洋平の声聞けて安心したし寂しくなくなったよ。』




素直な気持ちを口にする。そうすると洋平が受話器越しからクスクスと声が聞こえてきた。
水戸洋平
それなら良かった。まだ寂しけりゃ今からでも家飛び出して会いに行ってやろうと思ったけどな。

私は驚き、徐々に熱くなる頬を手に触れる。




『え、あの…その』




と戸惑い、声にならない。
水戸洋平
ハハハ、冗談…って言いたいとこだけど冗談ではないか。

『よ、洋平っていつも冷静すぎて困る!!ホントに同じ高校一年なのか心配!』




つい朝だということを忘れて大きな声で言ってしまった。
水戸洋平
悪いけど…誰かさんの事だと冷静になれないんだよな。それが。

受話器を持つ手に力が入らなく落としそうになったがギュッと落とさないように力を入れた。




『誰かさんって…?』
水戸洋平
あなたちゃん

こうやって焦らす時だけちゃん付けで呼びやがって。
水戸洋平
まぁー、オレまだ眠いから寝るわ。おやすみ。

『え、ちょっ!!』




ガチャとプープーと虚しく音を立てて電話が切れた。




あの男…言うだけ言っといて!!




ホントに“ズルい女”じゃなくて“ズルい男”だわ!







~あとがき~

おはようございます。ちぇりーです。
今回も読んでいただきありがとうございました。
今回はモーニングコールがテーマなのですが、実際に私が5時半に目が覚めてしまい、そのまま書いたのがこれです。朝っぱらから書いたので情緒バカおかしいです。実はもっと雑談的なのを書きたかったけど時間がないので短めで終わりましたが…。いやでもホントに書きたかったけどしゃーない。
でももしかしたら再編集で付け加える可能性もなきにしもあらず。(ないに等しい)
また変なの書いてるってなっても甘くみてくださいね。笑
あ、あと最後のズルい女とかっていうのはシャ乱Qの曲です。笑
90年代なのでね。少しそういうネタもいれました。

プリ小説オーディオドラマ