お互いに嗚咽を抑えながら話し始める。
覚えてたんだ。
あの日の約束。
少し、幼馴染っていう言葉が嫌いになった。
ころちゃんがメンバーの皆さんの方を見る。
俯き気味に言うころちゃん。
メンバーさんが部屋を出る。
理解ができない言葉を脳内で反芻している。
なんだか頭が追いつかなくて、私はただ唖然としていた。
ころちゃんが泣きそうな顔で私を見ているのは感じていた。
無邪気に扉を開ける莉犬さんの姿が視界の隅っこに見える。
顔を赤らめて私の手を握り、また泣きそうになって俯いているころちゃん。
ころちゃんに手を握られて、恐らく赤いであろう顔に驚きの表情を浮かべる私。
莉犬さんの思考回路は間違ってないなぁ、なんて、呑気に考えている。
はっと我に返り、メンバーさんの方を見る。
元々低い声を更に低くして私の方を見る、というよりかは睨むさとみさん。
そう言いながら、さとみさんが私の手を引き剥がそうとした。
が、
ころちゃんが喋りだすのが先だった。
そう言った。
そう言った?
理解できない言葉がまた1つ。
すとぷりメンバーさんも、
理解できていないみたい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。