第8話

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2023/08/26 00:20
 
ころん
改めて、ごめん…
約束、守れなかっ、た
あなた
っう、ん
 
お互いに嗚咽おえつを抑えながら話し始める。
覚えてたんだ。
あの日の約束。
 
ころん
僕さ、ずっと会いたかったんだよ
あなた
…え?
ころん
だって、あなたは僕の唯一の幼馴染だから
 
少し、幼馴染っていう言葉が嫌いになった。
 
ころん
でもね、リハーサルとかがあって、行けなかった
あなた
そっか
ころん
あの、さ?ほら、その…
 
ころちゃんがメンバーの皆さんの方を見る。
 
さとみ
どうしたころん
ジェル
なんや 笑
るぅと
どうしたんですか?
莉犬
めっちゃ泣いてんじゃん 笑
ななもり。
ほら一斉に聞かないであげなよ 笑
 
ころん
いや、ちょっとさ、部屋、出て?
 
俯き気味に言うころちゃん。
メンバーさんが部屋を出る。
 
あなた
…どうしたの
ころん
ほんとはね、もっと早くに言おうと思ってたんだけどさ
あなた
うん…?
ころん
僕は引っ越しちゃったし、約束の日に言おうって思ってたの
あなた
…うん
ころん
そのー、ね?
 
 
 
 
 
 
ころん
好き、だよ
 
 
 
 
 
 
ころん
今日会って、あなたって分かったらさ、落ち着かなくて。
10年も経っちゃったけどさ、僕はまだあなたのこと…ね?
ころん
勿論、受け取らなくたっていいよ
10年も想い続けてる奴なんて重くて仕方ない…
あなた
…へ?
ころん
へ?じゃないよ!?頑張って言ったんだ、け、ど、…
あなた
……
 
理解ができない言葉を脳内で反芻はんすうしている。
なんだか頭が追いつかなくて、私はただ唖然としていた。
ころちゃんが泣きそうな顔で私を見ているのは感じていた。
 
莉犬
ねー、まだー?
 
無邪気に扉を開ける莉犬さんの姿が視界の隅っこに見える。
 
莉犬
あー、入っちゃ行けない感じ…?
 
顔を赤らめて私の手を握り、また泣きそうになって俯いているころちゃん。
ころちゃんに手を握られて、恐らく赤いであろう顔に驚きの表情を浮かべる私。
莉犬さんの思考回路は間違ってないなぁ、なんて、呑気に考えている。
 
ななもり。
えっと、どういう状況…?
 
はっと我に返り、メンバーさんの方を見る。
 
さとみ
何してんの
 
元々低い声を更に低くして私の方を見る、というよりかは睨むさとみさん。
 
あなた
お話…ですかね…?
 
さとみ
なんでころんが泣いてるんだよ
 
そう言いながら、さとみさんが私の手を引き剥がそうとした。
 
が、
 
ころちゃんが喋りだすのが先だった。
 
 
 
 
 
 
ころん
あーもう!告ったの…
 
 
 
 
 
 
 
そう言った。
そう言った?
理解できない言葉がまた1つ。
すとぷりメンバーさんも、
 
ななもり。
ん?ころちゃん?
るぅと
ころちゃん、それ本当ですか?
莉犬
状況からして不思議ではないけど…
ジェル
マジで言ってるんよな?ころん
さとみ
…は?
 
理解できていないみたい。

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