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第1話

火曜日
35
2024/04/21 04:59 更新
アスファルトを灼き尽くすような
太陽が照りつける夏
鼓膜を破らんとする蝉の声が
大きく俺を包み込んでいた
制服は通気性の良い夏服ではあるものの
風が吹かないなら意味が無いと
身をもって理解した
???
???
「ほんと...!やんなっちゃうね!
ハチャメチャに暑いよぉ....」
同じ制服を着た...女生徒...
ハンディファンを顔に向けて
羽を回転させていた
主人公
主人公
「暑いよね、僕は帰り道に
アイスでも買って帰ろうかな...」
???
???
「....私もそうしよっかな?
いつものコンビニで一緒に買お!」
髪を結んだポニーテール
女生徒の顔がこっちを向くのと同時に
ポニーテールも大きく動く
.....でも....誰なんだろう....?
誰か分からないけど
落ち着く顔をしている
主人公
主人公
「え?いや....あの....わかった」
???
???
「良かったぁ!断られるかと思ったよ!」
.....この人の純白の制服、
何色にも染まっていない
自由の色
「一番線に電車が参ります。
普通、○○行きです。」
無機質なアナウンスが
プラットフォームにかかった
電車に続々と人々が乗り込む
この人と一緒に電車に乗る
少し照れくさくて安心する
..........
..................
....何が起きたんだ....?
電車に乗ったはずが
乗った瞬間目の前が真っ暗になって...
目が暗闇に慣れていくと
俺は見慣れた風景
我が家の最寄り駅
気づけば鼓膜を破くような
蝉の声も聞こえなくなっていた
目を焼くような太陽も
いつの間にか鋭く輝く三日月へと
変わっていた
顔に当たる風は
鋭く冷たい
主人公
主人公
「そうか....冬だもんな...」
...そうだ...俺は....
この駅のプラットフォームで
何かをしようとしていたんだ
主人公
主人公
 「そう...俺は....          する...」
....思い出せない....
俺は何をしようとしていたんだろうか
「一番線に電車が参ります
黄色い線の内側まで
お下がりください
普通、○○行きです。」
俺のいつも使っている電車が
来るらしい
そういえば、あの子は
どこに行ったんだろう
遠くから電車の走行音が近づいてくる
俺は一歩、足を踏み出してしまった

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