第27話

第二十六話
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2023/08/13 14:41

















来望。
優しくて温かい目。私はそんなお母さんの目が、温もりが大好き。
鈴木さん
お茶を持って参りました。どうぞ。
ありがとうね。
鈴木さん
いえ……。それじゃあ、頑張ってね。
うん。
(なまえ)
あなた
お母さん……お昼の…どういうこと?
まず、あなたの父は現五条家当主ではなく、ご当主の兄、「五条友哉ごじょうゆうや」よ。
(なまえ)
あなた
友哉…さん…?





そう、私が本気で愛していたのも、その友哉だった。











ー母の過去ー







私は呪術師の重要な家系の者として産まれた。



でも、私は「天神家」の呪術を一切持てず、呪力も無かった。


「天神家」は五条家のお気に入りで、優秀な人材の揃う家系だった。もちろん金と権力と呪術で成り立っていたわ。




そんなある日、滅多に話し掛けてくれない父が私にわざわざ会いに来て話をしてくれた。


まぁ話の内容はクソみたいだったけどね。
天神家の当主
お前はのような出来損ないと同じような出来損ないが五条家の方にもいるらしい、しかもお前と同い年だ。
…はぁ…
つまりその人と結婚して大人しく二人で出ていけって話でしょ?私がその話をされたのは17歳。そろそろとも思っていた。
天神家の当主
お見合いに行くからちゃんと綺麗にしていけよ。まぁ、もう婚約は決定みたいなもんだけどな。
なんで御三家やら重要な家系の奴らの上の人達はこんなにもクソみたいな性格な奴らばかりなのだろうか…
……婚約相手くらい私に決めさせてよ…大人しく出て行くからさ…ボソッ
その後は使用人さんに綺麗にしていただいたけど…髪を無理矢理引っ張られた。髪飾りも頭に指す時にかなり強く指されたのか頭が痛かった。

ー母のお見合いー
天神家の当主
ほぅ…この子も何も持たずに生まれてきたのですか?w
元、五条家当主さん
そうなんですwホントに…お互い困ったものですね〜
…そんなに大切なのかな…呪術って…権力って…仕方無いじゃん…私だってこんな扱いを受けるなら呪力とか呪術が欲しかったよ…
天神家の当主
まぁお前らはもう要らないから。
元、五条家当主さん
次期当主はお前の弟だからな。
友哉
……はい。分かっております。
この人は何も思わないのかな…内心凄く怒ってたりするのかな…
天神家の当主
じゃあ、結婚したら家から出て自分たちで生きていくんだなw
元、五条家当主さん
まぁ、精々頑張れw
……。
友哉
……分かりました。
そして私のお見合いは終わった。
正直、とっても嫌だった。好きな人が出来るかはわからないけど、それでも人生にたった一人の運命の人と結婚したかった。






ーお見合い終わってー






あの後、天神家の当主と五条家の当主の話が盛り上がっており、まだ帰れる雰囲気ではなかったので、友哉さんと私は中庭の椅子に腰掛けて、ちょっとした池の魚を眺めていた。




どうしよう…この人全く喋らない……


そうして少し気まずい空気が流れている中、先に口を開いたのは彼だった。
友哉
…僕でいいんですか?
え?
友哉
本当は…自分で婚約相手くらい決めたい…と思っているでしょう?
……はい…
友哉
ですよね……なら、大人しく二人でこんな所早く出て、僕から離れてください。
友哉
僕は貴女には幸せになってもらいたい。



彼は真剣な眼差しで私に言ってくれた。そこで彼の性格が分かった。酷く優しくて純粋な人なのだと。
…でも…
友哉
僕はね。どうせ呪力やら術式を持っていないなら御三家とか上の家系だとか忘れて本当の幸せを手に入れたほうが絶対良いと思うんです。
それは私もそう考えていました。
友哉
でしょう?なら、貴女は貴女の道を進んで幸せにならなければなりません。ニコッ



彼の笑みは本当に温かくて、まるで複雑な気持ちを全て取り払ってくれるみたいで……



その彼の顔の優しさに、温もりに私は恋をした。













母は恋をしました〜!
ということでちょっと不便なので次回からは母に名前を付けますね。よろしくお願いします!


それでは次回へGO!

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