私の家の家庭環境は最悪だ。
お兄ちゃんが有名人になって家を出てからは両親は虐待をはじめた。
私はとにかく早く大人になりたい。
大人になってこの家を早く出るんだ。
いつしか将来の夢はそれだった。
なりたい職業?どうだって良い。
とりあえずこの家を早く出るんだ。
私はまだ誰いないリビングに挨拶をして荷物をまとめて学校に行く。時間はまだ午前5時。
朝早いから辺りは暗いし、寒い。
車の通りが少なく、歩いている人も少ない中私は一人足を進める。
駅に着いて朝ごはんと昼食を買う。
ホームでご飯を食べて時間まで携帯をいじる。
時間になったら電車に乗って学校に行く。
私の朝はそんな感じ。
かりんは私の表面上の友達。
さすがに学校で一人でいるといじめの対象になる。
だからかりんと一緒にいる。
かりんはそれに自分の事も深く話さないし、私の事を探ろうともしない。
だからかりんとは普通に話せるんだと思う。
そして授業を受けてお昼の時間。
屋上には他の生徒はいない。だから屋上でご飯を食べて歌うのが好き。
振り返って見てみれば赤い髪の人…となんか後ろにたくさんの人いるし。見るからに生徒でも教師でもない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!