第6話

中学生のころ。
205
2025/09/22 13:15 更新
あなた
消しゴム、落としたよ
knmc
……あ、すみません。
ありがとうございます。
あなた
席がたまたま隣だった彼女の第一印象は、大人しい子だった。


次第に少しずつ話すようになって、気づけば勉強を教え合う仲になった。
knmc
ここの問題、わかる?
あなた
…あ、応用のやつだ。
私もわからなくてさ。ここまでいけたんだけど…
knmc
とん
本当に軽い音だった。
シャーペンを握る彼女の左手が、僕の右手に触れた。
あなた
…あ、ごめん。
knmc
大丈夫____
あなた
……
knmc
____…
顔、赤くね?
今のって____
fsm
とやさーん!先生が呼んでるっすよー!
knmc
あ……
あなた
行ってきなよ。
わかったら明日教えるね。
knmc
…わかりました。
じゃあ、また明日。
…可愛いと、何度思ったことか。
優しくて、真っ直ぐな彼女のことが好きだったから
だからこそ僕は____
姫乃さくら
酷いよあなたちゃん!
刀也くん、引退試合があるのに……どうしてこんなことするの!?
knmc
っ……
誰かに突き落とされた?
犯人があなた?


そんなのすぐに信用できなかった。
fsm
とやさん!今先生呼びましたから!
knmc
はい……
あなた
……
knmc
あなたの名字さん____
あなた
私がっ……突き落としました
knmc
____…
ふざけんなよ
なんでそんな嘘つくんだよ。
階段から突き落とされた僕は、手首の怪我で剣道の引退試合を辞退した。
あの日からあなたの名字さんは、僕と目すら合わせなくなって
完全に僕を避けた。

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