席がたまたま隣だった彼女の第一印象は、大人しい子だった。
次第に少しずつ話すようになって、気づけば勉強を教え合う仲になった。
とん
本当に軽い音だった。
シャーペンを握る彼女の左手が、僕の右手に触れた。
顔、赤くね?
今のって____
…可愛いと、何度思ったことか。
優しくて、真っ直ぐな彼女のことが好きだったから
だからこそ僕は____
誰かに突き落とされた?
犯人があなた?
そんなのすぐに信用できなかった。
ふざけんなよ
なんでそんな嘘つくんだよ。
階段から突き落とされた僕は、手首の怪我で剣道の引退試合を辞退した。
あの日からあなたの名字さんは、僕と目すら合わせなくなって
完全に僕を避けた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。