第21話

STORY18.
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2024/04/04 04:28 更新
kn  sid.


シャークんが真っ逆さまに落ちていって、後を追う様にあなたの下の名前(カタカナ)が飛び降りた。




怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。
怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。
怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。




体の震えが止まらない。

もしこれで、シャケが死んだら?
きっと、俺は生きていけない。
多分俺だけじゃない。

この場にいる全員が、希望を見失うはずだ。

あなたの下の名前(カタカナ)も一緒に死んだら?
止める人がいない。
俺らが死にそうになっても、誰も助けてくれない。

どうすればいい。何が正解だ。
考えろ、考えなきゃ…


「っ、あ、あれ…っ!」nk


なかむが指差した方…崖の先。
そこに、あなたの下の名前(カタカナ)が居て…彼女の腕の中に、泣きじゃくったシャケが居た。


「シャケっ!」kn


崖の上に降ろされたシャケに、思わず飛びつく。

俺よりひと回り小さな体を、未だ震えている体を、精一杯抱き締める。
いつの間にか周りに皆んなもいて、ずうっと抱き締め合っていた。


「あは、w皆んな、怖かったですね。」

「シャケ、シャケ…」kn

「大丈夫か?シャークん…」nk

「息吸って、落ち着いて…!」kr

「大丈夫だ、俺らは生きてるから…」sm

「は、は…かひゅ、ふ…」syk


腕の中で縮こまるシャークんが、何処か幼い弟みたいに見えた。
それと同時に、守らなきゃいけないって使命感に駆られる。

多分、昔の記憶が蘇ったんだ。
シャケは一度、崖から突き落とされた事がある。

滝が落ちていた、激流の川が流れていた。

これを知ってるのは俺だけだ。だから、俺が何とかするしか無い。


「大丈夫だ、シャケ…っ!水はない、崖の上だよっ…」kn


あの頃と違う事を教える。


「生きてる、息してるよ…」kr

「大丈夫、ここは安全だ…」sm

「あなたの下の名前(カタカナ)が守ってくれるよ、シャケ…」nk

「あの時とは違うんだ、!」kn


……あぁ、呑気だけれど。
側から見たらこの光景は、一種の自己暗示だ。

放った言葉を真実と無理やり認識させて、体と脳の不安を取り除こうとしてる。


あなたの下の名前(カタカナ)の瞳が震え続けている。
この光景に驚いているんだ。


俺らは普通の子じゃ無かったから、こういうのは慣れっこ。
発作みたいなもの。
でもこれは唐突にじゃなくって、自分にとっての刺激が大きすぎた時に陥る。


仲間が死んでいたかも知れないと言う恐怖から、俺らも落ち着いていない。

シャークんを落ち着かせてるって体で、それを見て驚いた自分自身も落ち着かせている。
卑怯だけど、これしか方法を知らない。


誰も教えてくれないから。


子供の間に教えて貰わなきゃ、自分で考えるしかない。


どれだけ理不尽になれば気が済むんだよ、この世界は。
おかしいだろ?もう嫌なのに。

言い聞かせるしか無い。
大丈夫、大丈夫、大丈夫だ。
安全で、不安がることはない。

こんな些細な事でこうなるんだ、どうしろって言うんだよ…。

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