ぼくの記憶が消された?
目覚めるとそればかりが頭の中にいた。
ほぐのことを思い出したい。
ぼくの記憶はどんな記憶なんだ?
畑沼さんは、ほぐをニンゲンにしたかったって…
どういうことなのか…
頭の中がパンクしそうだ…
『さあ、朝ごはんを食べよう!』
ろきはいつも通り、バケツいっぱいの草を用意してくれていた。
ぐぅううう
考えすぎてお腹がすいたみたいだ…
『さあ、お食べ ^_^』
ぼくはほぐに座った。
ろきはお皿に盛り付けてくれると、
話し始めた。
『めるとくん、今たくさんの知らなかったことが
一度に集まって頭の中が大変なことになっていると思うんだ。』
『でもね、そんなときはめるとくんをいじめた彼らのことを考えたりはしないよね?』
たしかにそうだった。
ヤギたちのことは全く考えていなかった…
『過去にいっぱいいっぱいになってしまうことは簡単なんだ。』
『でもね。今を考え、今を生きるということができているめるとくんはとても強い精神をもっているとろきは思っているよ。』
『だからこの先どんなことがあろうと、過去や未来にとらわれず、今を生きることを忘れないで欲しい。』
「ぼくはつよいの?」
『とても強いと思うよ。』
頭の中がいっぱいでどうしたらいいのかと苦しくなっていたぼくは無意識に笑顔になっていた。
『やっと笑ってくれたね!その調子その調子 ^_^』
ぼくはゆったりと座っていたほぐをみつめ、
背もたれをなでた。
とても心が熱くなるのを感じた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!